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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第十四章

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これは都合が良い

 翌日。

 宋忠が陳留を出立した。

 出立直前、宋忠に曹操からの使者が来た。

「丞相が蔡瑁へ文を届けるようにとの事です」

 使者がそう言い、文を手渡し一礼し離れて行った。

 宋忠は手渡された文を見て、これは蔡瑁が渡した文の返事では無く、何かを伝える文だと察した。

 一刻も早く届けた方がいいと判断した宋忠は馬に跨ると、腹を蹴り駆けさせた。


 十数日後。

 

 宋忠は襄陽に辿り着いた。

 休みを挟んだとはいえ、ほぼ全速力で駆けていた為、馬は疲れていた。

 宋忠は馬を兵士に預けると、その足で劉表の下に向かい報告をした。

 報告をしつつ、目で蔡瑁を見た。

 何か言いたそうな目をしていると察した蔡瑁は劉表への報告を終えて部屋を後にした宋忠を追い駆けた。

 宋忠に追いつくと、宋忠は周りに誰も居ない事を確認した後、懐から文を取り出した。

「丞相より文にございます」

「わたしが書いた文の返事か?」

「いえ、これを渡した者の言葉によりますと、それとは別な事と思います。それと、わたしは中を読んでいません」

 そう告げる宋忠。

 その言葉の意味は、もし曹操との繋がりが露見しても、知らぬ存ぜぬと取るという意味であった。

「分かっている。許昌への使者ご苦労であった」

 宋忠へ労いの言葉を掛けた後、蔡瑁は受け取った文を懐に入れて離れて行った。


 自分の部屋に戻った蔡瑁は懐に入れた文を広げて中を読んだ。

「・・・・・・ふむ。劉琮を州牧又は刺史に就けたいのであれば、劉備を暗殺しろだと?」

 文を読み進んで行き、最後の方になるとそう書かれていた。

 方法については任せるが、もし、逃げられた場合の対処法と書かれていた。

(普通、この場合であれば方法も書くのではないのか?)

 不思議に思いつつも、甥の地位も安泰となるのであれば行うだけだと思う蔡瑁。

 問題は劉備をどうやって襄陽まで呼び出すかであった。

 その方法を探していると、劉備が襄陽に来る事を知った。

「殿が呼んだですと?」

「ええ、何でも劉脩を許昌に送る途中で新野を通るから、一応話を通しておこうと思い呼んだそうよ」

 姉の蔡夫人から、その話を聞いた蔡瑁は内心で好機が来たと思った。

 そして、密かに兵を集めるのであった。

 蔡瑁としては密かに集めているつもりなのであろうが、人が動けば人目につく可能性がある。

 まして、人数が多ければ多い程に人目に付きやすい。

 兵が何処かに移動している報告は伊籍の耳に入ってきた。

「蔡瑁殿が兵を集めている? 何故だ?」

「分かりません。百人程度の兵を集めて何をするつもりなのか」

 報告を訊いて伊籍は最初訓練なのかと思ったが、その割りに兵が少ないので違うと思った。

(何の為であろうか? 近い内に何かあったか? ・・・・・・そう言えば)

 劉備が襄陽に来るという話を聞いた事を思い出した。

 それを思い出すと、伊籍は頭の中で何かが噛み合ったかのように気付いた。

「そうかっ。そういう事かっ」

 伊籍が大声を上げて、走り出してその場を後にした。

 報告した兵は突然走りだす伊籍に不思議に思いながら見送るのであった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 伊籍が劉備派になったのか曹操・曹昂には知らないけれど、ナニか企んだら誰かにバレるのを前提で「蔡瑁、やれ」の手紙送ったのか。劉表が呼んだのに劉備が途中で引き返すのか、向こうも武装してくるのか。…
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