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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第二十一章

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この状況では

 野営に突撃する張遼率いる部隊は喊声と共に駆けていく。

「孫権を探せ! 孫権を討てば重い恩賞を与えるぞ!」

 張遼の声に、八百の兵が一斉に応じる。

 野営の中では、孫権軍の兵が慌てて武器を取っているが、まだ隊列を整えられないが、張遼軍の動きは速く、迷いがなく攻撃を仕掛けていった。

 怒号と悲鳴が野営に響き渡った。

「張文遠が参ったぞっ。孫権、その御首を寄越すがいい!」

 張遼が名乗りながら孫権を挑発した。

 すると、反応したのは孫権軍の兵達であった。

「ひっ、張遼!」

「逃げろ! 俺達が敵う相手じゃない!」

 孫権軍の兵達が怯えて逃げ出す者が出てきた。

 それにより、陣営が混乱状態となった。

 そのお陰で張遼達は足が止められる事となった。


 張遼率いる部隊が野営を攻撃しているとほぼ同じとき。

 兵達の怒号と悲鳴を聞いた呂蒙はすぐに兵を集めた。

「殿を守れっ。張遼を近づけさせるな!」

 呂蒙が兵達に命じていると、天幕から誰かが出てきた。

「殿っ。敵の奇襲です!」

「分かっておるっ。敵の数は?」

「分かりませんが、率いているのは張遼という事が分かりました。ですので、殿。此処は陣営から脱出を」

 呂蒙が言葉を続けようとした所で、孫権が手に持っている戟の石突で地面を突いた。

 大きな音を立ったが、周りの悲鳴と怒号で掻き消されてしまい、呂蒙と近くに居た兵達にしか聞こえなかった。

「此処で逃げれば、先の戦の二の舞ぞ。何としても防ぐのだ!」

「ですが、殿の身に万が一の事があるかもしれませんので・・・」

 呂蒙は逃げてほしいという思いを込めて、孫権を見た。

 孫権はその視線を浴びつつ、何かないかと周りを見た。

 すると、野営にある見張り台があるのを見つけた。

「あの見張り台に上がるぞっ。あそこからであれば、陣営が見えるであろうっ」

「はっ。殿に続けっ」

 孫権が丘を指さし駆けていくので、呂蒙も待機している兵と共にその後を追い駆けた。

 暫くして、孫権は見張り台を上り詰めた。

 周囲を見渡すために作られたので、其処から孫権軍の陣営が見えた。

 敵の奇襲で混乱している自軍と、その自軍に攻撃をしている敵軍の姿が。

「・・・・・・敵の数は多くないように見えるが。呂蒙、どう思う?」

「そうですな。見たところ、千いえ数百程度の様です」

 孫権が確認の為に呂蒙に尋ねると、呂蒙も兵数は多くないと述べた。

「ならば、直ぐに全軍に張遼を包囲するように命じるのだ。けして逃がすな!」

「はっ」

 孫権の命を聞き、呂蒙は返事をして直ぐにその場を離れて行った。

 程なく、孫権の命により兵達は平静を取り戻していき、指揮に従い始めた。

 やがて、張遼の部隊を幾重にも包囲した。

「っち、流石に二度も同じようにやられてはくれぬか」

 張遼としては、このまま孫権の首を取りたかったが、こう包囲されてはそれも不可能だと悟った。

「仕方がない。円陣を組め!」

 張遼が命じると、兵達は攻撃の手を止めて陣形を作り出した。

 自分達を包囲する孫権軍に対抗する様に、円形の陣が作られた。

「突破ではなく守りを固めたかっ。このまま包囲の輪を縮め締め付けるのだ!」

 張遼が円陣を組むのを見て、包囲を指揮している凌統が命じた。

 兵達はその命に従い、少しずつ距離を詰めて攻撃を仕掛けていった。

 四方八方から襲い掛かる矢と槍の攻撃を、張遼の部隊を盾と槍でもって対応した。

 だが、いかに精鋭と言えど数の多さに勝てる事は出来ず、兵達は倒れていく。

 このままでは、張遼率いる部隊が全滅するのではと思われた。

 その時、陣営の外から喊声が聞こえてきた。

「なにっ⁉ ・・・・・・ばかなっ」

 喊声を聞いた孫権はすぐに陣営の外に目を向けた。

 その眼には、陣営を包囲している軍の姿が映っていた。

 味方の軍勢ではない証拠に、曹の字が書かれた旗が掲げられていた。

 他には楽、薛の字が書かれた旗が掲げられていた。

「やられたっ。張遼が円陣を作ったのは、こういう訳であったかっ」

 陣営は隙間が無いほどに包囲されていた。

 此処から逃げるとしたら、途轍もない損害を出すと分かった孫権は唇を噛むのであった。

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― 新着の感想 ―
孫権死す!ってことには····ならなそうだけど···
開戦のきっかけとなった凌統辺りが犠牲になって逃がすのかな?
耳長山賊団より先に孫権がお縄に?wいや、まだこざかしい魯粛の動きが出てきてないな
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