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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第二十一章

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これは暫し留まる事になるな

 曹昂の意見を聞いた曹操は荀彧の反応を見る事にした。

 其処で郭嘉を呼び出した。

「丞相。お呼びとの事で参りました」

「うむ。儂が九錫を授かりたい事は知っているな」

「はい。我ら家臣一同、丞相が天子の階に登るのを待ち望んでおります」

 郭嘉がそう述べるのを聞いた曹操は頷いた後、身を乗り出した。

「許昌には董昭他、儂に仕えている者達はおる。その者達にも今の話をして、儂に九錫を授ける様に手を回すのだ」

「はっ。承知しました」

「それと」

 曹操は此処が本題とばかりに、目を細める。

「荀彧にもこの話をするのだ。その時の反応を見て、儂に報告せよ」

「? 荀尚書は丞相の腹心ですよ。丞相の意向に背く事などしないと思いますが」

「それは分からん。だが、荀彧がどう思っているのか知りたいのだ。お主は荀彧と同郷で親しくしているであろう。だから、荀彧も本音を話すだろう」

「承知しました」

 曹操の命を聞いて、郭嘉は一礼する。

 部屋を出ると、郭嘉は廊下を歩きながら、思考を巡らせていた。

(荀彧殿が丞相が九錫を授かる事を反対する? 今の情勢を考えれば誰も反対できないと思うがな)

 とりあえず、話して反応を見るしかないと判断した郭嘉は準備を整えると、鄴を発ち許昌へと向かった。


 十数日後。


 豫洲潁川郡許昌。

 鄴を発った郭嘉は旅塵を落とし、礼服に着替えると外廷に赴き朝議に参加した。

 朝議の内容など聞き流していると、朝議が終わったので郭嘉は董昭の元に赴き、何事か囁いた。

 その囁きを聞いた董昭は頷いて、その場を離れて行った。

 董昭を見送った郭嘉は次に荀彧の元に近づいた。

「文若殿。久しぶりに話しませんか」

「うむ。構わないぞ」

 郭嘉が話しかけてくるので、荀彧は応じた。

 そして、二人は荀彧の屋敷で一席を設けるのであった。

 上座には荀彧が座り、その近くの席に郭嘉が座った。

「では、一献」

「うむ」

 郭嘉が盃を掲げると、荀彧も頷き盃を掲げた。

 そして、二人は盃に口を着けて酒を喉に流し込む。

 飲み終えると、二人は酒を飲みながら雑談に興じていた。

 ある程度酒を飲んでいるが、酔っている様子は無かった。

「・・・・・・ところで、文若殿。近頃の情勢をどう思いますか?」

「情勢か。最早天下の殆どは朝廷の支配下に入っている。残っている逆賊共もいずれ従属か滅ぼされるであろうな」

 荀彧がそう述べだした。

 郭嘉はその言葉を聞いて、違和感を感じていた。

 だが、それが何なのか分からなかった。

「そうでしょうな。丞相がいずれ、天下を全て平らげるでしょう」

 郭嘉は胸を張りながら言うと、荀彧は僅かに顔を顰めた。

「・・・・・・そうなれば、丞相は九錫を授かるのかも知れんが。それはまずい」

「不味いとは?」

「丞相が兵を起こしたのは、朝廷を救い、 国家を安定させる為だ。君子とは徳をもって人を愛するもので、そのようなことをしてはならないだろう」

 荀彧は溜息交じりで述べた。

 其処まで聞いて郭嘉はようやく違和感の正体が分かった。

(そうか。荀彧殿は丞相だけではなく朝廷にも忠誠を誓っているのだな)

 だから荀彧は先ほどの「天下の殆どは朝廷の支配下に入っている」と言ったのだと分かった。

(・・・・・・これは、不味い事になるな)

 荀彧が朝廷に忠誠を誓っている以上、曹操が九錫を授かる様に動いたとしても、反対すると分かった。

 荀彧が反対するという事は、曹操の腹心が反対するというだけではない。

 今の朝廷に仕えている殆どの者達は荀彧の推薦で仕えている。

 もし、荀彧が反対すれば、その者達もどう動くか分からなくなった。

 荀彧と同じように反対するのか、それとも曹操の九錫を授かる様に動くのか。

(・・・・・・暫く許昌に居て、どうなるのか見ないといけないな)

 郭嘉はとりあえず、荀彧の考えを翻意させないといけないなと思っていた。

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― 新着の感想 ―
なんとか朝廷の実権を取り上げて武家が取り仕切る方向にもっていきたいところやけど、難しいな・・・空箱がちらつくw
史実ではもういない郭嘉がいるから、説得の可能性もあるが。 曹昂も動く必要があるな・・・
王莽と言う簒奪の前例はあったとはいえ後漢が長続きした事もあって皇帝のハードルが上がってたのを曹丕の簒奪、劉備孫権の自称で皇帝の地位は力があれば名乗っても良いみたいな風土ができあがっちゃいましたよね。 …
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