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生まれ変わったら曹昂だった。 前世の知識を活かして宛城の戦いで戦死しないで天寿を全うします  作者: 雪国竜
第二十一章

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くれると言うので

 曹昂は、士燮からの使者が来るので、鄴に赴く事が遅れると、その旨を書いた文を人に渡して送らせた。

 何時頃来るか分からないので、何時でもきても良いように準備をしていた。


 十数日後。


 交州からの使者が陳留に辿り着いた。

 贈り物として、大量の品々が馬車に乗せられ、数十台と続いていた。

 その馬車の中には、小さな籠があり、中には何かの生き物がいるのが見えた。

 

 馬車の一団が城内に入ると、使者は直ぐに曹昂と謁見した。

「曹陳留侯にご挨拶申し上げます」

「遠路はるばるよう来られた」

 使者が一礼すると、曹昂も挨拶を返した。

 使者の傍には、布に包まれた何かがあり、時折揺れているのが見えた。

 曹昂を含めた皆は、何で揺れているのか分からず、好奇な目で見ていた。

「荊州に蔓延っていた賊を討伐した事により、朝廷への貢物を簡単に送る事が出来る事を、我が主は殊の外お喜びにございます」

「貴殿の主の様に、朝廷に忠実な臣下の憂いが晴れたなら良い限りだな」

 曹昂は使者と話しながら、布に包まれているのは何なのか尋ねる時を見計らっていた。

 使者の方もそろそろ話した方が良いと判断したのか、軽く身だしなみを整えた。

「我が主は憂いを晴れた事への感謝として、こちらの品々をお送りいたします」

 そう言って使者は懐から封に入った紙を取り出した。

 その紙を掲げると、近くに居た法正が受け取り曹昂に手渡した。

 受け取った紙の封を破き、中を改めていく。

 そうしていると、使者が布を掴んだ。

「そして、これも献上いたします」

 使者がそう言って、布を取り払うと姿を見せたのは檻であった。

 檻の中に居たのは、全長三尺(約六十五センチ)ほど大きさを持った猿であった。

 前肢が後肢よりも長かった。

 全身を黒色の毛に覆われていた。

 つぶらな瞳で周りをしきりに見ていた。

「・・・・・・猿のようだな」

「はい。交阯近くで捕らえる事が出来ました珍しい猿です。曹陳留侯は珍しい動物を好むと聞きましたので、気に入られると思い献上に参りました」

 別に珍しい動物が好きな訳ではないのだけどと思いつつ、曹昂は檻の中にいる猿を見た。

(よく見ると前肢が長いな。テナガサルか)

 珍しいと言えば珍しいかと思っている曹昂に使者が話しかけた。

「この猿猴は通常は木の上で生活しており、見つける事も難しくまた捕らえるのも大変な生き物にございます。ですが、その佇まいは君子の様に見えますので、古の王侯の方々はこの猿猴を飼育していたと言われております」

「ほぅ、例えばどのような方々が飼育していたのだ?」

「わたしも其処まで詳しくはありませんが、確か始皇帝の祖母が飼育していたと聞いた事があります」

 始皇帝の祖母と言われても、曹昂は名前が出てこなかった。

(父親の名前は確か荘襄王だったけど、祖父の名前は・・・・・・駄目だ。出てこない)

 荘襄王は始皇帝の父親という事と、諺ににもなった『奇貨居くべし』という話があったので覚えていたが、その父親となると流石に曹昂の記憶には無かった。

「・・・・・・・まあいい。献上してくれたのだ、有難く貰うとしよう」

 この猿は地上でも活動できるのかなと思いつつ、曹昂は有難く受け取る事にした。

 名づけは後日にして、直ぐに使者を歓待する宴を開いた。


 翌日。


 目を覚ました曹昂の元にある報告が齎された。

「なに、貰った猿猴が逃げた?」

「はい。餌を与えようと、檻を開けると逃亡しました」

 猿猴を世話を使用人がそう報告するのを聞いて、曹昂は特に何とも思わなかった。

 貰ったばかりなので、愛着もわかなかった。

 なので、逃げたと言われても、動物を飼うだからこういう事もあるかと思い、気にしていなかった。

「逃げだしたものは仕方がない。まぁ、城内を軽く探して見つけられなかったら、探すのを止めるとしよう」

 曹昂は使用人に気にしなくても良いと言うと、その使用人は罰を受けると思っていたので、何の咎めも無いと聞いて安堵の息を漏らした。

 其処に、別の使用人が入って来た。

「あの、厩舎に居る旦那様の馬の背に前肢が長い猿が乗り、鬣を手で撫でております」

「はぁ?」

 使用人の報告を聞いて、曹昂は意味が分からず首を傾げていた。

 とりあえず、厩舎に向かうと、少し前に商人の耿文から貰った馬の背に、献上された猿猴が乗っていた。

 猿猴は機嫌よく歌いながら、手で馬の鬣を撫でていた。

 撫でられている馬は気持ちいいのか、機嫌よさそうに嘶いていた。

 どういう状況だ。これは?という思いで、曹昂達が見ていると、猿猴は視線に気づいたのか撫でる手を止めて、馬の背から降りた。

 そして、何かを訴える様に、キーキー鳴き出した。

 何を言いたいのか分からかったが、曹昂はとりあえず話しかけた。

「・・・・・・お前、檻の中に居たくないのか?」

「キー」

 猿猴は頷くのを見て、曹昂は話を続けた。

「じゃあ、何処に居たい?」

「キー」

 曹昂の問いに、猿猴は厩舎を指差した。

「厩舎に居たい? 別に良いけど」

 変な所に居たいという奴だなと思いつつ、曹昂は猿猴の言う通りにした。

 厩舎の中に檻を置くと、猿猴は大人しく檻の中に入った

 この猿猴が厩舎に居る様になってから馬達の調子が良くなったので、置いて良かったと思った。

 厩舎に居るので、猿猴を弼馬(ひつば)と名付けた。

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― 新着の感想 ―
オリジナルの方の孫悟空か。
三国志でテナガザルと聞いて真っ先に劉備を連想しましたが本物のテナガザルでしたかw
曹昂、猿回しもするの巻ww普通に会話・・・w まっま達のところにも連れていくのかね。おさるさん
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