第九話『魔女狩りと魔法使いの開戦』2
犯人達の犯行予告通り、ついに時限式爆弾が爆発した中ホールでは既に火の手が上がっていた。
羽佐奈達が潜んでいた反アリス派思想を持ったテロリストの男達を発見し、尋問をしていた最中の事故。
何としてもテロリストが仕掛けた爆発物の位置を聞き出そうとしていた羽佐奈達の目的は儚くも失敗に終わった。
「ふはははっははっ!! 残念だったな!! 悪魔共。
もはや誰にも止められぬ。その身で報いを受けるといい。
醜悪な魔女共めっ!! お前たちを許すものなどいない!!
それを全身で味わうがいい!!」
犯行予告通り、爆破を成功させ、狂乱に侵されたリーダー格の男の嗤い声が中ホールに木霊する。
すぐさまドームが倒壊するほどの規模ではないものの、爆発によって発生した火災はそう簡単に消火できる規模ではない。
羽佐奈は怒りのあまりテロリスト達の口を塞がせようと身体から魔力を放させ、灼熱の炎を纏ったファイアブランドを発現させるが、同時に犯人達は自らのこめかみに拳銃を突き付けた。
「やめなさいっ!!」
血生臭い恐怖を連想させる黒い塊を目にして、必死に叫ぶ羽佐奈の制止の言葉も届かず、犯人達は自らの頭を躊躇いもなく撃ち放った。
パン! パン! パンパン!
鈍い銃声が連続で鳴り響き、男達はその場でバタバタと倒れていき、辺りには頭部から流れる真っ赤な鮮血の跡が広がっていく。
即死だった。男達は無謀な抵抗をすることなく、羽佐奈達が欲している情報を何一つ晒すことなく死んでいった。
目の前に広がる亡骸を前に、虚しさ以上に、どうすることも出来なかった激情が込み上げて来る羽佐奈達。
爆弾は一つとも限らず、目の前では立ち昇った炎があらゆるものに燃え広がっていき、火災が広がっていく。
そして、自分達には危険極まりない魔女狩りの魔の手が迫っている。
それでも、友梨は悲壮感に包まれることなく、冷静に行動をしようと消火ホースを取り出し、消火に努めることを判断した。
「まだ、諦めるのは早いでしょう?」
勇敢にも消火ホースを手にした友梨の言葉に頷く羽佐奈と八千羽。
三人の決意を固めた直後、騒ぎを聞きつけ駆け付けたスタッフ。
テロリスト達は目的を達成させた直後、自害したことを告げると、スタッフ達も一丸となって今できる最善の努力を尽くそうと避難可能なギリギリまで消火活動に努める判断をした。




