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【エッセイ短編集】あるあるなイライラ話や疑問を自分の為に都合良く解釈する所  作者: 杉崎 朱


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【エッセイ短編】笑う角には福来る。祖母の話。


 前置きからお伝えしましょう。

 私の祖母は、生まれた場所は方言の事もあり、とっても口が悪いです。そして、他人を褒めることより悪口を言う事の方が大好きな人です。噂話が大好き。人に言わない方がいいことも平気で言ってしまう。


 山の中だけで生きてきたような人なので、多分テレビで見る街中ー銀座や六本木ーは異世界だと言う感覚なのかも知れません。私母が夕方に近所に買い物に行くだけで『今から行くのか?!馬鹿じゃないのか!!』と言います。


 それが、私にとっては悪く映るのですが、『悪口を言う、人を自分の基準から外れたら罵る』のが当たり前だと生きてきた人なんです。多分悪気はないんでしょうと受け止めてます。

 隣の家の犬が吠えているだけで罵声が飛びますからね。


 既に他の記事で書いてますが、他人を『馬鹿』って思うのは別に悪いことじゃないです。人は、自分の知っている、自分と同じ動きをしない人が頭が悪いと考えるのです。しかし、口には出さないことを推奨します。

 まぁ、言われたうちの母も気にしなければ良いのですが、面倒見て大変な思いをしているのに買い物に行くだけで『馬鹿』と言われて傷つくほどに、自身も気付かないうちに疲弊しているのでしょう

 


・・・ーーー



 さてさて。


 元気なご年配がいらっしゃいます。

 《その年から新しい事始めるの?!》と。

 

 ”元気がないから”や”年だから”と諦める人が多い中、なぜそこまでできるのか。


 《やりたい》と明確なご自身の欲と希望があるからですよね。


 早々に少しそれますが、《欲》にはいろいろあって


 ①人に迷惑をかけない欲

 ②人に迷惑をかける欲


 少なくともこの2つがあると思ってます。


「欲張りだよね」

「欲凄いよね」

「欲張りはいけません」


 と言う風に思ってませんか?このように言われるのは②の欲です。

 《人に◯◯してもらいたい!!》の欲は確かに良いようには思われないと思います。

 しかし、①の”人に迷惑をかけない欲”に関して、『やりたい!』と思って何が悪いのでしょうか?


・改めて英語を学びたい!

・趣味を作りたい!

・友達が欲しい!

・仕事休んで遊びに行きたい!

・家事をしないでカフェでゆっくりしたい!


 仕事休むのは有給使えば良いですよね?勿論シフト制の仕事で出勤予定の日を後から休むのは少々気が引けますが、翌シフトならなんとかなるかも知れない。


 欲って、欲張りって、悪い事じゃなくて自分の希望が明確に”自身がわかってる”のはとても良い事なんです。


 うちの祖母はあまり趣味がないようです。

 あるにはあるのですが、近所の人とお茶してお喋りする事と買い物が趣味です。でも、年金生活でお金がありません。固定費や生活費を子供が負担してます。しかも辺鄙な場所に住んでいるので買い物に行くにも街に出るまでが大変です。

 買い物したくても出来ない。お金がないから。じゃあお金が掛からない趣味は?お金が掛からない趣味はないそうです。確かに、何を始めるにしても初期費用というのは掛かります。しかし、一度購入してしまえばというものだってあります。

 祖母が私の家に長期で泊まりに来た時(と言っても体調不良で連れてこられて養生中にだいぶ回復してきたから)


「何かしたい事ある?」

 そう聞くと

「無い」

 と言います。


 確かに人の家に来て遠慮してるのとあると思います。

 

「買い物行く?」

 と聞くと、買い物は大好きなので行きます。


 今、物価が上がり続けている日本です。私は普段三人分の食材をスーパーで買います。何日分買うかにもよりますが、直近2日3日の肉と野菜、飲み物を買うとしても2000円から3000円です。米は省きます。そんなに頻繁に買いませんので。つまり、三人分のおかずの金額となります。1日三人で1000円です。


 三人の三日分で3000円です。


 祖母が買い物に行くと一回で3000円から4000円です。老眼で視力が悪いのに言っても眼鏡も掛けないため、値段も見えていないようです。見て美味しそうな果物を選ぶのです。色艶が良さそう、大きさも良いもの、沢山入っているもの。


 それって高いですよね。


 食に興味があるといえばそうなのでしょう。しかし、それは結局の所、世話になってて悪いから迷惑料的な

感じで我が家に買っている節もあります。そんなこと気にしなくて良いのにです。



 あぁ、また脱線しました。



 兎に角、祖母の好きなことと言うのは、『近所の人とお茶のみをして話すこと』と『買い物をすること』なのです。しかし、私の家にいる間は自分の家の近所の人とは勿論話せません。そして、私の家にいると好きに買い物に出かけることも出来ません・・・は祖母の自宅もあまり変わりませんね。しかし、買い物に行けたとてお金が尽きたらお金をあげなくちゃいけないわけですよ。


 参ったもんですね。


 基本、祖母の欲や願いというのは『人に迷惑をかける』事が多いのです。山奥の辺鄙な地で独居を続けたい。まだ一人で暮らせると本人は思い込んでおります。しかし、独居のための固定費は自分の年金では賄えておりません。買い物は近所方についでとはいえ車に同乗させてもらい、体調が急変したらいつも近所の方が最初に対処してくれている。

 私の母も、体がとても弱いながらもその山奥の交通の便が悪い土地まで毎週2日ほど通ってました。しかし、祖母の体調が悪くなるのはいつも誰かがいない時に限ってなんです。近所の人に迷惑をかけることをよしと思いませんので、独居を辞めるような方向に動いていはいます。この状況、もう近所の人も口には出せませんが、二ヶ月にいっぺん救急車騒ぎだなんてやってられないでしょうね。しかも搬送されて検査して結果『どこも悪くない』と言う。(持病が突罰的に出ただけなんです)


 そう、祖母の願いである『独居を続けて』『近所の人とお茶のみをして』『買い物を好きにして』暮らしたい。という欲は、本人以外が大変迷惑な『欲』なのです。


 しかし、祖母は子供の家に世話になることを拒んでます。


 1番上の子供は祖母の面倒を見れない。

 3番目の子供は遠くで、そもそも祖母が行きたがらない。

 末の子供は面倒を見る気は最初からなく、もう施設に入れれば良いという。

 うちの母も、面倒見ても良いけどやはり疲れるという。でも施設に入れるとお金が掛かる。いやぁ、私でも疲れますからね。そして、ウチは見ても良いけど、祖母が本当に我が家が嫌いなようです。他の家でそれを言うのです。『あそこの家は嫌だ』と。


 辺鄙なところにどうやっってうちの母が行っているのか?車が運転できないので電車と数少ないバスです。バスもない時間だとタクシーですよ。

 体が弱い母がわざわざ行きたくもないのに行って、そして祖母はこう言います。


「お前が運転できたらな」

「お前は本当にダメだな」

 これはあくまでもうちの母にだけ言った事です。ちなみに私も言われてます。車が運転できなくなってから母と出向いたときに『車があればなぁ』と。ぶっ飛ばしてやろうかと思いましたが、それはあくまで祖母の切実な願いなんです、買い物に行きたい欲が、子供と孫を思いやる気持ちが元々ないから切に願った言葉が出ただけなのです。腹立ちましたけどね。

 

 しかし、そのようなことを他でも嫌味を言っているので祖母はもう施設に行くことが半ば決まってしまったのです。


 祖母からすると、一番避けたいのは『施設で誰とも会えなくなること』だろうに。


 近所の人なんてもう会えないに等しい。買い物だって行けない。


 全部拒んで嫌だ嫌だと言っていたから、施設に入れられてしまうようです。


 大人たち・・・私の親世代の話ですが、多分『誰の家にも世話にならないなら、施設にお世話になるしかないよ』と伝えてないんですよ。


 そうすれば、文句も言わずに誰かの家にいた方がストレスが溜まるでしょうが、本当に最悪な自体は免れるでしょうに。


 そして、タイトルに戻ります。


『優しいおばあちゃん』などいない。


 私はこの話の祖母だけでなく、もう一人祖母がいましたが、私が生まれる前から病気で半身麻痺で言葉は話せませんでした。語彙がないのです。でも、はい、いいえは言えました。で、何かいけない事と認識が無い幼い頃にいけない事をすると『まったく!!』と言って怒られたものです。


 喋れないって、とんでもなくもどかしいでしょうね。優しく怒りたくても、言葉が出ないから、いけないことを注意できなくてそのまま続けてしまう孫を止めるには、『声の大きさ』と誰が見ても『怒っている』と言う事を表明しなくてはならないですよね。


 だから、小さい頃のほぼの記憶はいつも怒っている顔でした。


 しかし、私も成人を近くしてそんなクソガキじみたいことはなかなかしなくなってから、祖母は怒ることが少なくなりました。


 ずっとニコニコ笑っているのです。


 中にはきっと腹が立ってムカつくことも有ったでしょう。


 でも、ずっと笑ってたのです。何が有っても。


 そうやってニコニコしてると、『多分気に入らないことがあるんだろうな』と思いながらも、こちらとしてニコニコしてくれているだけで心が助かるものです。あ、ちなみに同居はしてませんでした。


 勿論、本心を押し殺してまで、自分に嘘をついてまでニコニコしてろなんて意味じゃ無いです。


 『笑う角には福来る』

 

 と言葉がありますね。あと、嘘も突き通せば・・・とか。


 嘘って言ってるじゃん!って思うかも知れませんが、『本当は怒りたいんだよ』とわかった上で『でもニコニコしてよう』で、後から福が来たのかな・・・。とか今更ながら考えたりしてました。


 そう、ニコニコしてるのって凄いんです。その事もあってか、若くして患った祖母も大往生で、なんとずっと大好きなタバコを吸い続けることもできてました。


 孫もひ孫もいて、みんな頻度は高く無いが家に遊びに来てくれる。そんな祖母でした。



 さて、比べるワケではありませんが、冒頭の祖母に戻りましょう。



 ずっっっっっっっっっっっっと仏頂面してます。

 そして、価値観があまりにも違うので、人が楽しそうな時はつまらなそうにしてます。額に、家族内で何か問題が起きた時に声を上げて楽しそうに嬉しそうに笑って見てるんです。


 え。


 しかし、問題が起きることって少ないので、基本は顰めっ面です。



 ずっと顰めっ面でいるんです。



 ニコニコと正反対なんですよ。


 

 そうすると、誰も近寄らなくなるんです。



 はい、その仏頂面が、祖母にとっての最悪である『施設入り』を助長しているのです。



 急にまとめ、仕上げに入りましたが、結局はこうです。



 『笑う角には福来る』



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