七十一話『視点切り替えが早すぎるとどのキャラが何言ってっかわからなくなるよね』
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観覧車の下。レッドは『…僕は僕の出来る事をしたい。感情表現も、生き方も、何もかも下手くそだけど、人を思いやる心と、感情を分かち合う力、変わろうとする努力!僕は、僕は立ち止まりたくない!少しずつでも、周りより歩むスピードが遅くても!』と言いながらカガミの機体へ炎を渦巻いた剣をぶつけていく。
『誰かのために…!人の役に立てるように!生きて行きたい!』
レッドは力を溜めながらカガミの機体に炎を渦巻いた剣を握りながら迫っていく。
カガミは追い詰められつつも、ジャンプで剣を避けては、『それは幻想だ!』と言い切る。
『人の事ばかり考えようが、突然の理不尽でその理想は全て破綻する!』と言い返す。
『世界はお前が思うほど美しいものじゃないんだ!純粋さに付け込むやつが必ずどこかに潜んでいる!それで他人を蹴落として笑う人間もいる!その上、人にやさしい人間は人の事ばかり考えて主体性が無い分少しの事で折れやすい!俗に言うメンタルが強い人と言う存在を見てみろ!あいつらは他人の事なんて気にしない輩ばかりだ!…お前より長く生きてるんだよ。俺は!この世は人を平気で蹴落とすことが出来る悪い奴が得をするように出来ている!優しいやつから早死にするんだ、優しい奴から殺されたり、人に騙されたりするんだ!そんな…そんな世界に希望なんて無い!お前の持つ優しさ、思いやり、正義とは!たった一言で破綻する人間が作り出した理想郷だ!本来の人間と言う生物はもっと薄汚く、欲望に満ち溢れて、弱い奴から死んでいくものなんだ!他の生物を見ればそれは明白だろ、なんで人間だけ助け合いだなんて言葉に侵されているんだ!』とカガミはレッドに再度迫って行く。
レッドはカガミの機体を避けつつ、『それは違う!計り知れない人の優しさを…お前の物差しだけで否定するなァァァァァァ‼』と剣を空中を舞いながらカガミの機体のほうへ振りかざしていく。
ブラックと、ブラックの機体の後部座席に乗せられた服がボロボロになった大佐が、レッドがいる場所へ駆けつける。『レッド!』と声を合わせるブラック、ホワイト。大佐の頬には大きな掠り傷が。太腿からも出血しているようだ。だがブラックの機体の後ろから、イエローと彼を追いかけるブルー、グリーンの機体が接近する。
ブラックは、、紫のダークマスターの機体に近づく。だが空中から戦士たちの機体を、ヒビキ、トウマ、イズミが狙う。避ける戦士たちの機体。そこに追い打ちをかけるようにイエローがグリーンの機体に向け破壊光線を飛ばす。『グリーン!』叫ぶブラックの機体の後ろを、カガミの機体がマイナスエネルギーで狙う。ブラックの機体は爆風と共に飛ばされる。
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倒れたブラックの機体の後部座席に座る大佐が、「俺も…俺も…何か出来る事…」とブラックに声をかける。「…テメェが持ってる合体のカギってもん探せ」ブラックは起き上がりながら大佐に言った。
大佐は「今持ってるものなんて…」と画面にヒビが入り今にも壊れそうなレスキューフォンを見つめる。
「俺も…俺もレッドと同じだ。誰かの役に立ちたい…。それに、親父を、宇宙警察ステーションのみんなを、助ける!」とレスキューフォンを握りしめる。
ブラックは爆風と共に飛ばされた場所から、カガミやレッドが戦う場所へと機体を走らせる。
トウマと戦うホワイト。『お前…!クロウサギじゃないのか⁉』と驚きの声をあげるホワイト。『俺たちは光道教!弐式火神を教祖に持つ組織だ!』と説明するトウマ。
ホワイトは『なんだ…光道教なんて聞いた事無いぞ!』と言いながら、機体から大きな刃物を出現させトウマの機体を切ろうとする。が、トウマは『あぶないな…』と叫びそれを避けた。
一方、イエローと戦うグリーンは、機体で受け身の姿勢を取りつつ起き上がる。グリーンは、イエローに『何か喋ってみたらどうだ…!』と問い詰めた。そして炎を機体の腕から放出する。イエローは俊敏に攻撃を避けた。
『クソッ!』と吐き捨てるグリーン。ブルーが、『ここは私が引き受ける』とグリーンを止める。
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『青野…』と呟くグリーン。ブルーは『こっちよ!』とイエローを追いかける。『ダメだ!』とブルーを止めようとブルーの後ろについていくグリーン。
『明確にあなたたちのほうが威力の強い技を出せるのよ、だからあなたたちは最後まで生きて。翠ちゃん、短い間だったけどありがとう、もう、言えなくなるかもしれないから』と優しい声で言うブルー。
グリーンは、『青野!命を捨てる気か⁉』とブルーを心配する。『だって今の私はスーパーブルー!戦士だもの‼』と機体の必殺技ボタンを押す。
他の戦士から少し離れた場所で、ブルーは『スーパーイエロー…あなたと、仲間になりたかった』と呟けば、水の渦がイエローに向かって放出される。だがイエローは機体をジャンプさせる。
『クッ…!』とスーツの中で歯を食いしばるブルー。グリーンが、『青野!』と緑の炎の追撃でブルーをサポートする。
緑の炎がイエローの機体に当たり、イエローの機体はキキーッツ‼と嫌な音を鳴らしながらドリフトする。
ホワイトが、『まずい!ブルーが!』と振り返る。それをブラックが『そっちは俺が行く‼』と言いながら追いかけていく。『させないよ!』とブラックに攻撃するトウマ。
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カガミは戦闘の隙を見て機体を走らせる。「順番的にはあの女だな、ブルーとかいう」と笑うカガミ。
後部座席のホノカは「今回はシナリオ通りに行くのか?」とカガミに問いかける。
カガミは、「前回までは原作通りに駒を進めずに失敗したからな」とチェスの駒、ナイトを意味深に回しながら答えた。
ホノカは「なぜナイトなんだ」とわかっていながらカガミに言った。
カガミは、「俺はこう見えて悪魔じゃない、一人の女の最前で守り続けた…騎士だからな」と返した。
「お前が騎士、か」と笑うホノカ。揺れるレクス・テロリスの機体。
「でもやはり俺はクロウサギより…光道教のほうが良く似合う」と自嘲するカガミ。
「幼児のお人形遊びとなんら変わりないぞ、それ」とカガミをバカにするホノカ。
「ほら、後ろ見ろ。モニター。来てるぞ、お前の大好きなレッドくんが」ホノカの言葉に、「うおぁ、マジか」と動揺するカガミ。
カガミは機体を動かしレッドと距離を置く。
『許さない!お前だけはァァァ!』と遠くから叫ぶレッド。
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カガミは、にやりと笑う。「ホノカ。転生コースのご要望だ。来世こそサユリとの幸せを保証してくれないか」
カガミの注文に、ホノカは「閻魔が決める事だ。」と淡々とした口調で返す。
「ただ、サユリはもう転生してサユリじゃないぞ」と忠告するホノカ。
カガミは「俺はサユリと言う単一個体を愛しているんじゃない、サユリと言う魂、概念、温度、潜在意識。根本から変わらないあいつを構成する全てを愛しているんだ。喩え、離れ離れになった今でも」と続けた後、「サユリを疑った時期もあったがな」と付け足した。
ホノカは「お前の行動原理、結局全てがそれだ」と本質を突いた。
カガミは、「終わらせるぞ、俺の物語を」と続ける。ホノカは「嗚呼」と頷いた。
日が暮れていく。懸命な消火活動と、ブルーの技により鎮火されてていく木々の炎。焼けた匂いが、ただ戦場に残る。カガミの機体が遊園地中を駆け巡っている間に、ブルーとイエローの争いは激化していた。




