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『宇宙警察L戦士~セルフで異世界構築してラスボスとして君臨してみた~』  作者: ミタラリアット


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七十二話『ヒーローにだって見せたくねぇ顔があんの。』


 イエローがブルーを破壊光線で攻撃する。

『きゃああああああああ!』と破壊光線が直撃し機体が吹き飛ばされるブルー。


 更に追撃するようにイエローがブルーの機体に突っ込んでいく。


『ブルー!』ブルーの機体が宙を舞ったのを目撃したブラックがブルーの名前を叫ぶ。


 絶体絶命のブルー。助けようと進むブラックの機体が、『どおおおおりゃああああああ!』とイズミの機体のマイナスエネルギ―波動で攻撃される。

揺れるブラックの機体。


 大佐は、「レスキューフォン…お願いだ…みんなを…助けてくれ!」と画面の割れた携帯を握りしめて訴える。

カギ、とやらがレスキューフォンであれと祈るように。


 だが、合体条件は全員がいる事。イエローも、ピンクもいない機体では起動するかも危うい。



『ブルー!大丈夫か⁉』と機体が後退した先から地面に埋もれるブルーの機体を追いかけるブラック。


 機体を起こすブルー。

『ええ…何とか…』と呟いた後、ブルーは起き上がる。


『ハツネちゃんの死を…無駄にしない…』とブルーは掠れた声で呟く。


『ハツネちゃん…十四歳だったの…そんな子が戦いに命を落とした…私は…死ぬまで戦ったハツネちゃんの正義を…無駄だったことにしたくない…』


 ブルーが息を整えながら言っては、ブラックは『はァ…』と溜息を吐いた。


『ブルー、俺はテメェを邪魔しねェ。テメェの士道、通して来いや。…死ぬなら存分暴れて、自分が満足できる面で逝け。けどよ…俺ァ仲間に死んで欲しかねェんだよ、なにも覚えちゃいねェ俺にできた唯一の居場所がテメェらなんだよ、もうこれ以上誰も逝かせやしねェ。…生きろ。俺んとこに笑顔で帰ってこい。』


 と何かを悟りながらブルーに言うブラック。


 ブルーは、『わかりました、如月高校二年一組青野春華!行ってまいります!』とブルーは機体を進めていく。


 大佐が、「何やってるんだよブラック…、引き止めろよブルーを」と声を震わせながら言うが、ブラックは、『ッ…』と泣き出す。


「ブラック?」と呟く大佐。


「あいつは背中を押しても引き止めても確実に戦いに行く、俺でもそうするから。戦士ってのは、命が尽きるその時まで戦わなくちゃなんねェのが宿命だ…なら…引き止めるより、その勇士を讃えて送り出すのが…俺の役目だろ」とブラックは珍しく涙声で大佐に言う。



 イズミの攻撃で再び揺れるブラックの機体。


 一方で、遊園地内では『カムパネルラランドにお越しのお客様にお知らせです。現在、当遊園地の園内で非常に激しい戦闘が行われています。一部激しく燃えているエリアもございますので、お客様は係員の指示に従って速やかに避難してください。避難先として臨時にプールWAR!エリアを解放しております。』と園内にアナウンスが入る。


 イエローとブルーは空中戦に入っていた。


『仲間を撃つなんてしたくないわ…!でも…ごめんなさい…!』と言ってブルーは震えた指で必殺技2のボタンを再度推すブルー。


 決死の一撃。


『私は世界のために、スーパーレッドの…宇宙警察の力になるために戦うの!…私…ヒーロー…大好きだから…推しのために生き、推しのために…!はァァァァァァァァ‼』


 溜めた技をイエローの機体に向け大放出する。

機体の中は限界値の覇気で点滅していた。


『届けえええええええええ!』と叫ぶブルー。


 だがイエローの速さにはブルーの機体は敵わなかった。


『・・・・・死ね』と呟くイエロー。



 イエローのさらに威力が強化されたレーザービームが、ブルーの機体を襲う。


『ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!』と女らしさの欠片も無い低く生々しい悲鳴を上げ飛ばされていくブルー。


 ブルーの機体は激しく炎上し、ブルーを乗せたまま爆発する。


 同じタイミングで、『はッ…』とブラックとレッドは勘付く。

たった今、ブルーの命の灯が消えた事に。


 ブラックとレッドの脳裏に、笑顔で振り向く等身大の春華の表情が浮かぶ。


 ブラックは『…春華ッ…あいつ…!』と震えた声で叫んだあと、『クソッ、クソッ…!』と拳を何回もタッチパネルに突きつける。


 一方、レッドは『そんな…ブルーまで…』と怯えたような声色で呟いた。


 カガミは、『さすがのお前もこれには参るだろ、レッド』と楽しそうな声でレッドを煽る。


『うわああああああああああああ!』レッドは悲鳴をあげながらカガミを本気で殺そうと機体の腕から火炎放射を放出する。


「レッド!」後部座席の子供が、取り乱すレッドを心配する。


『ダークマスター!お前…!自分が何をしているのかわかってるのか⁉なぜそれで笑っていられる‼』と怒るレッド。


 カガミは、『…あいつが勝手に死んだだけの事だ!俺は何ら干渉していない!敵を見誤るな!』とレッドに言い返す。


 レッドは『こんな…こんな奴のために…多くの宇宙人や人間たちが命を落として‼』と絶叫する。



『ダークマスターとか…かっこよくねぇんだよ!』と叫びながら火炎放射をカガミの機体に放つレッド。


「うわッ…!」揺れる機体に「うぐッ…」とカガミは酔いそうになる。


『俺がかっこよくないのなんか百も承知だ!』と言い返すカガミ。


 カガミは、『お前には俺が悪に見えるようだな』と笑うカガミ。


『だがそれは間もなくひっくり返される前提だ、人間は気に入らないものや自分の意見と反するものを悪だと決めつけ非難する傾向にある、俺の視点では…』と続く言葉を言いたくないのか、少し声が詰まるカガミ。


『貴様も悪だ!』と震えた声で言うカガミの違和感を、レッドは察知する。


 互いに機体を動かしながら、『なんだよ…はっきり言ってくださいよ…なんでそんな悲しそうに…寂しそうに言うんですか…』


 機体を止め、カガミの機体と向かい合わせになるレッド。


 月も出てきた遊園地の広場に、沈黙が生まれる。

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