表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『宇宙警察L戦士~セルフで異世界構築してラスボスとして君臨してみた~』  作者: ミタラリアット


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/55

三十六話『日本人って休めって言われるまで休まねぇからさ』


 江藤と大佐がホテル内を歩いていると、


二人はコンピュータールームに光太郎がいるのを発見した。


 光太郎はパソコンと睨めっこして何かを調べている。


 「光太郎さん!」



 江藤が駆け寄ると、

光太郎は「邪魔すんなって」と溜息を吐く。




 「弐式って名前がどうも引っかかったからコンピュータ―ルームに行ったら名前検索ツールなんて画面が立ち上がっててよ、それで弐式って名前を総当たりで調べてたんだよ、さすがに住所までは検索出来ねぇけど、名前と自治体ぐらいは調べられるもんだから検索したらヒットしたぞ。四人」



 光太郎はそう言うと、 「まずは弐式壱護。警察庁刑事局のお偉いさんで階級は警視正でヒット。次に弐式香織。元警視庁交通部交通執行課の警部補。まぁ情報はそれだけだな。長男の弐式火神。国立創集院大学附属創集院中学校・高等学校の二年生で消息不明のままデータが更新されていない。長女の弐式花蓮。同校中等部所属のまま一切のデータが無い」と、如月市内の弐式姓の人物を読み上げた。



 大佐は、「エリート一家って感じだな」と画面を後ろから覗き込む。



 「気に食わねぇ。こういうボンボンが社会に出て調子乗って国会議員とかに立候補して庶民を苦しめていくんだよ」



 光太郎の言葉の一部がグサッと刺さる大佐(ボンボン)


 江藤が、「偏見強すぎますよ」とツッコむが、


光太郎は「そりゃ偏見も持つだろーよ」と答えながらパソコンを閉じる。


 「あ~。俺も金持ちのボンボンのもとに生まれたかったな」


 と呟いた後、「飯食ってくる」と言う光太郎に、


大佐は「ちょっと」と手を伸ばすが、


光太郎は「俺負け続けで気分わりぃの。少しぐらい優雅な暮らしを楽しませてくれよ」と後ろを向きながら大佐に手を振った。



 大佐は「光太郎くん……」と切なげな表情を浮かべる。


 江藤は光太郎が触っていたパソコンを使い、


国立創集院大学附属創集院中学校・高等学校制服と入力する。


 「!?」


 黒いブレザーに赤色のネクタイ。


あの時クロウサギの実験室から持ち出した制服と一致している。


 なぜ?なぜクロウサギのアジトにその学校の制服が。



 「……」



 江藤は思考を巡らせる。弐式火神。


彼にヒントがあるんじゃないかと。


そもそも本当に世界が偽って考えは合っているのだろうか。


僕らだけが何者かに脳内を支配されているだけなんじゃないか。


 江藤はありとあらゆる可能性を考慮するが、


明確な答えは見えてこない。謎は深まるばかりだ。


 弐式火神がクロウサギに関わっている可能性は低い。


高校生なら制服が無いと困るじゃないか。


でも、消息を絶っていて高校に居ないのなら何かしらで関わっている可能性も? 


考えれば考えるだけ頭が錯綜する。




 大佐は言った。




 「君たち、クロウサギのアジトに行ったことあるんだよね」




 大佐に尋ねられては、「え? あ、はい」と江藤は動揺しながら答える。


「もう一度足を踏み入れてみるのはどう?」


 大佐の提案に、江藤は首を横に振った。


「僕を殺す気ですか」


あんなこと、二度とあってはならない。


江藤もそれなりに苦しかったのだ。


 ここまで宇宙警察たちはロクに戦えていない。


理由は簡単だ。敵が強すぎる。


並大抵の戦士じゃ勝てないほっどのインフレだ。


敵とは言えその強さが羨ましいまである。


 江藤と大佐はコンピュータールームを出る。



廊下では軽快な音楽と共に民族的な歌詞の歌が流れる。


本来なら清々しい気分になれるが、少し古臭い建物とはあまり雰囲気がマッチしないので脳の認識がアプリケーションのようにバグを起こす。


 シャイニングロードホテル。


市内にいたはずなのに聞いたことも無いようなホテルの名前。


少し不気味な気さえする。


ゲームであるならここで一旦セーブするのが筋だろう。


だがそんな機能は生身の人間には備わっていない。


 現在のパーティーは二人。



江藤新一と、佐野大佐。



佐倉光太郎とハツネはレストランで少し遅い朝食を楽しんでいる頃だろうか。




 グー。



 江藤の腹が鳴る。



 「そろそろ食事にしよっか」



 江藤の様子を見た大佐は笑う。


「そうですね」と江藤も大佐と顔を合わせながら微笑み、食事へと向かう。


 レストラン。どうやらホテル専属のシェフが注文したらその場で調理をするらしい。


 「うまいわ~!」


 ハツネがもぐもぐとチキンを堪能する。


既に二つの皿が重ねられていて、彼女がまだ食べる気であるのは、安易に想像できた。


食べ盛りの女の子らしい、豪快な食いっぷりだ。


 江藤と大佐は向かい合わせに座る。


 「さーて、俺は何にしようかな」


 大佐はメニューを広げた。


江藤も自分のほうにある二枚目のメニューを手に取る。



 「じゃあ僕は炊き込みご飯と麩が彩る和の定食にしようかな」とメニューを選ぶ。


大佐も、「じゃあ、江藤くんと同じのにするよ」とメニューを決めた。


 大佐に至っては本部長のマネーだが、 江藤たちの分は全額、弐式様という人が全額賄ってくれるらしい。


消息不明の高校生にこんな事は出来ない。


じゃあ、彼の父親なんだろうか? 


はたまた、【弐式】が誰かがあの家族に偽装するために第三者が使った偽名である可能性も否めない。


 折角の料理が運ばれてきても、

食事に一切の集中が出来なかった。


 食事を終えた四人はそれぞれ部屋へと戻る道を進む。


道中で「じゃあ、またあとでね?」と大佐に手を振られ、「はい」と笑顔を向ける江藤。


 強制休暇は、あっという間に終わりを告げた。

ホテルシャイニングロードが、


この物語にとってそれ以上に重要なヒントを持っていたとは、 誰も気づかないまま。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ