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『宇宙警察L戦士~セルフで異世界構築してラスボスとして君臨してみた~』  作者: ミタラリアット


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三十話『オカルト話ってんなわけあるかい!!!って思うけど実際人間が誕生してる時点で宇宙人とかいてもおかしくないし宇宙人がいるくらいならまあ並行世界ぐらいあるよね』


 喫茶キュアミラージュでは、光太郎を中心に、ヒーローたちと、大佐が囲む。


 小次郎は、「つまり、お前の記憶の中では俺が魚屋にいたと?」と少し笑いながら光太郎に尋ねる。


 光太郎は、「嗚呼、そうだ。クロウサギのアジトに乗り込んでダークマスターを相手に小次郎と戦って敗れるまで、確かに俺はお前の家族が営む魚屋にいたはず。」と全員に何度か繰り返しながら言う。




「それに普通に如月市の外に出られたはずなんだ。今はどれもこれも違っている。変わっちまったのは…俺だけなのか?」


 と目を見開きながら言う光太郎に、小次郎は「おかしいな。ラビット・フレーバー共の幻惑にハマったか?」


 と光太郎を茶化す。江藤も、「宇宙自体がおかしい、って言うより僕らだけが利用されて勘違いしている可能性だってありますよね。」と真剣に悩む。




 春華は水色のスマホを手に取りながら、



「ニュースも、SNSも、何の変哲も無いわ…。宇宙に異常が起きているなんて、そんな風に思えないほど普通の光景だもの。如月市から出られないなんて今でも信じがたい。でも確かに幼少期の記憶や断片的な記憶が曖昧で、いくつもの矛盾が浮かぶのは不思議…。ひょっとして私、なるべくしてヒロインになったのかしら。」



 とどこかこの状況下でも楽しそうに笑った。


 ハツネは、 「せやけど気になるわ。普通わざわざ世界いじったり私らの記憶いじるなら私らが簡単に真実に辿り着けへんようにするやろ?不自然ちゃうそれ」と首を傾げる。



 大佐は「寧ろ」と口を開いた。




「もし本当に世界改変とか記憶改ざんとかSFじみた話があるのなら、首謀者の目的は…。俺たちにその事実を知って貰う事。黒幕が求めているのは俺たちの存在。そのものだったりすんじゃないか?なぜ俺たちを求めているのかまでは全く理解が出来ないけど」


 大佐の言葉にハツネは、「やるやん佐野Ⅾ~?」 と納得する。


 


光太郎は、「俺は…今まで記憶を取り戻すために惰性で戦ってた。でも今は少し思い出しただけで後悔している。やっぱり忘れるって事にはそれ相応の理由があるんだ。下手に取り戻さねぇほうがいいこともある」



 光太郎の言葉に、ヒーローたちと大佐は全員視線を光太郎のほうへ向けた。



「あ~。めんどくせぇ。そもそも俺ヒーローなんて目指してたわけじゃねえし。俺がなりたかったの同人誌作家だし。人守るとかそういう事して何か返ってきた覚えねぇし。な~んか嫌になってきちゃったな。なにがロイヤルブラックだよ。全然ロイヤルじゃねえよ。貧相な暮らしだよ。俺だって女の子と安孫んでいい思いしたいよ。知ってる?イメージカラー黒ってペンラ用意するのだりぃんだよ。関ジ●ニ然りキン●リ然り。白で代替しなきゃなんねぇのにメンバーに白いたらたまったもんじゃねぇよ。」


 光太郎は思いつく限りの愚痴を吐いた。





「はァ~。いっそクロウサギに寝返ったほ~が今より幸せかなァ」


 光太郎のとんでもない一言に、江藤は「嫌なこと言わないでくださいよ」とツッコミを入れる。


 ハツネは「おうおう寝返ってしまえヘタレ」出来ない事を確信しながら強い口調で言って笑う。


「寝返ったところで光太郎みたいなヘタレはやってけへん。名前はどうすんねん。ダークスイーツか?立派な名前やなァ、あ、名前も貰えへん可能性あるで。ほんならうちでかわいいハツネちゃんが客持ってくるからやれヒーローだのやれイケメンだのチヤホヤされとったほうがええんとちゃうか?」



 ハツネの棘のある励ましに、光太郎は「誰がヘタレだ」と言い返す。




 小次郎は「はははッ!こいつは面白い。光太郎!お前みたいな男がヘタレ呼びされる未来が来るとは!だが嬢ちゃん。安心したまえ!光太郎はちゃんと女を食べた事がある!と、俺は信じたい!(願望)二十七にもなるような男が経験ひとつないなんて信じがたいからな!」


 と笑ったあと、光太郎に「でもテメェも経験皆無じゃねーか」と図星を突かれ、


「それは…それは…記憶の改ざんだ!光太郎!まさかお前はそんなに重症に!」


 と都合のいい事を言って床に体勢を崩しながら喚いた。



 春華が、「大丈夫ですよ!」と小次郎の背中を摩る。


「小次郎さんも、光太郎さんも魅力的です!」春華の言葉を聞いては今度は春華の足に「わあああああああ!」 と抱き着く。


 が、「美しい女神…お名前を」と涙目で春華を見上げる。


「青野春華です」 微笑む春華に、小次郎は、「おれは白龍小次郎、またの名をブルーアイズホワ…」


 と言いかけるが、江藤にハリセンで頭を思いっきり叩かれてしまう。



「うぉ…!」赤べこのように何度も頭を振動させる小次郎。


 春華は、「ふふッ。愉快な人たちですね」と微笑んだ。


  続いて江藤が、「何よりもまず、今の僕たちに出来ることは、クロウサギと戦う事。それしかないんですよ。ヒーローとしての責務を全うしていれば、きっとこの世界の事も全部知ることが出来るはずです!」と全員の志を高める。



「戦士も五人になったんや!勝利の女神は必ず善人に微笑む!私らは私らでお天道様に背を向けずに真っ直ぐ生きてりゃええねん」



 ハツネも気合いを込めながら言った。




 白、赤、ピンク、青の戦士たちは、それぞれ自分たちが出来ることをひたむきに取り組もうと思うだろう。


 だが、一人だけ迷いのある男がいた。佐倉光太郎。


 この男だけは、これからヒーローたちが進む道は困難な道であることを知っていた。


 失うものなんて増やしたく無かったのに勝手に自分の暮らしに入り込んできた余分な荷物たちに呆れていた。


 人々の笑顔を守りたい。そんな感情は光太郎には無かった。


 ただ目の前で犠牲になる人間が出る事が嫌だった。


 ホワイトが隣で先に死ぬ。以前その経験をしたからだ。


 相手は自分より遥か強大な力を持っていた。羨ましいぐらいの能力を。


 光太郎はやる気が無かった。


 ダークマスターが全ての黒幕なのは経験からも恐らく間違いないが、そうなれば江藤たちに訪れるのは死だった。


 仮の世界でも記憶改ざんでも何でもよかった。


 光太郎はただこの適当な毎日を生きて行きたいと願った。


 だが、現状それさえも架空なのだと考える度に嫌な正解へ進んでしまう。



 光太郎は、「真っ直ぐ生きるとか何でもいいや、人間前だけ向いてりゃいいって単純な話でもねぇの。横でも後ろでも全部に違った景色があんの。もう俺だりぃわ。二度寝する。春華~。大佐~。小次郎~。テメェらはさっさと家に帰れよ~。はい解散。処置はどーも。いろいろ迷惑かけちまったし、春華と大佐には割引チケットと新メニュー提案権やるからまたな~」



 と声をかける。 江藤は「僕たちの夕飯は⁉」と光太郎に言うが、「んなもん自分らでオムライスかパスタでも作って食え」と適当に返されてしまう。


  江藤は「また洋食」と不満そうに呟いた。



 春華は「皆さんまたご一緒しましょ!」と手を振る。 大佐も、「俺は暫く駅前のホテルに滞在するよ、何かあれば本部に連絡して」と光太郎、ハツネ、江藤の三人に話しかける。


 

小次郎も、「また会おう!俺の見せ場も少しぐらい作ってくれ!」と言って帰って行った。



 大佐、春華も小次郎の後に続く。



 夕飯を作りに一階へ移動するハツネと江藤。


 光太郎は、「クカー」 といびきをかいて、夢の中。


 すっかり夜になった街の三日月が、夜を静かに照らしていた。

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