第28話 ドキドキの委員会活動♡
今日は図書委員の当番日。
俺と名月さんは昼休み、受付業務に勤しんでいる。
受付業務は生徒の貸出、返却した本をバーコードにスキャンして、貸し出しの場合は「返却日は〇〇日になります」、返却の場合は「ご返却、ありがとうございます」と一言付け加える。
そんな感じだろうか。
名月さんが教えてくれたおかげで、だいぶマスターした。
接客業のレジ業務を体験しているようで、案外楽しい。
アルバイトはレジが出来るところにしようかな。
なんてことを考えながら名月さんと業務を進める。
「意外に、図書室を利用している生徒、多いんだなぁ」
「そうね。平谷君は今まで利用したこと無かったのかしら?」
「恥ずかしながら……」
「これを機に本を読んでみたらどう? 私みたいに本をたくさん読まないと、頭が良くならないわよ」
「いや、名月さんの読んでいる本はドスケベな本でしょうが」
「失礼ね。普通の本だって読むわよ」
いつの間にか、生徒が図書室から居なくなり、受付業務をしている俺と名月さんの二人きりになっていた。
「生徒、もう来ないのかな」
「そろそろ、授業が始まる時間だからね。これくらいの時間になると、もう、あまり来ないわね」
「そうなんだ」
すると名月さんは薄い笑みを浮かべながら、ズイッと顔を近づけてきた。
「図書室で二人きり。何も起きないはずはなく……」
「いきなり、何を言い出すの、名月さん⁉」
「この僅かな時間でもドスケベしたいのかな、平谷君は?」
「ひぎゃっ!」
そ、そりゃあ、ドスケベしたいけども……!
でも、今は業務中だぞ……!
お金をもらっていないとはいえ、仕事をしている時にドスケベなことをするのは、流石に人として終わっている気がする……。
が……隣にいるドスケベ女子からの誘惑から逃れる自信も無い。
「ドスケベがしたい……けれど、業務中にやるのはマズい……。そう、本能と理性が葛藤しているという顔をしているわね、平谷君」
「なるほど。全部、バレているんだ」
「大丈夫よ。誰にもバレないし、よりドスケベな気分を味わえる、とっておきの方法があるの」
「そ、そんな神みたいな方法があるの?」
「そう……それはね」
名月さんはなぞるように指先で俺の手に触れた。
「ふにゅ……!」
「ほら、カウンターが死角になって、仮に生徒が来たとしてもバレない♡」
「う、うお……!」
こ、これはマズいぞ……!
誰にも気づかれないところでコソコソ、イヤらしいことをするなんて、ちょっとドスケベがすぎやしませんかねえ……!
名月さんの指先は魔性の如く、俺の手、腕、脚と、カウンターの資格で見えないところを順に弄る。
「平谷君、あなただけ堪能するのはズルいわよ。私にも同じことやってもらえるかしら?」
「え……いいの?」
「はやく、やって♡」
名月さんは目を瞑り、ふるふると小刻みに震えている。
余りに戦場的な名月さんの様子に、俺はもう我慢できなくなる。
指先で彼女の身体をそっと撫でる。
俺にやってくれた時と同じように、手、腕、脚と、カウンターで見えない下の部分を順に触れる。
滑らかできめ細かな名月さんの身体を人差し指が堪能している。
「あん…………♡」
吐息にも似た嬌声が、彼女の口から洩れる。
荒い息を吐きながら、顔が紅潮している。
そのメスの姿を見て、脳が焦げそうになる。
なんて、可愛いのだと、不覚にも、そう思ってしまった。
絶頂を迎える中、ガラガラと図書室の扉が開く音が聞こえた。
こんな最悪のタイミングで、生徒が来てしまった。
「い、いらっしゃいませ~」
動揺しすぎて、なぜか接客業の店員みたいになってしまった。
しっかりしろ、俺……!
「返却お願いします」
「は、はい……ご返却、ありがとうございます……」
バーコードスキャナで返却された本を処理する俺は、冷や汗をダラダラかいている。
なぜならば、受付業務真っ最中にも関わらず、カウンターの死角を利用して、名月さんは自分の指を俺の指に絡ませているからである。
見ず知らずの生徒の壁越しには、指を絡ませ合う官能的な光景が広がっている。
ちょっと、ドスケベが過ぎるぞ、この状況……!
体は火照り、下半身が熱くなる。
返却を終えた生徒は、図書室を出る。
初めての委員会活動は、ドキドキしっぱなしだった。




