第10話 初回ログインボーナス♡
翌朝、登校すると、なぜか俺の席に名月さんが座っていた。
昨晩、ばちこりオカズにしていた人と出くわすと、なんだか気まずい。
「名月さん……?」
「あら、おはよう、平谷君」
「おはよう。……って、ここ、俺の席なんだけど」
「平谷君の温もりを感じていたのよ。男の人の熱を感じるだけでドスケベな気分になってきたわ」
「やっぱり、きみはとんでもない逸材だよ……」
朝から想像以上のドスケベ全開ぶりで困惑している。
この子は俺を遥かに超える逸材のようだ。
そして、昨日の全ての出来事が夢ではなかったということだ。
本当に俺と名月さんはドスケベフレンドらしい。
「昨日はお楽しみだったかしら?」
名月さんのことである。
絶対にアレのことを指している。
ドスケベであることはお互い周知の上、隠す必要はないし、正直に言おう。
「はい!」
「何発したの?」
「三発……かな」
「すごいわね。三発以上は才能が無いとできないっていう説もあるのよ。平谷君は才能の塊ね」
「いや、俺も普段は、一~二発だよ。昨日はその……特別だから」
「もしかして、私をおかずにして抜いてくれたのかしら?」
女子に対して「昨日、あなたで抜きました」なんて白状するバカは居ないだろう。
だが、俺と名月さんはドスケベフレンド。
ドスケベなことをしても、言ってもモーマンタイ。
正々堂々、白状できるわけだ。
「はい、そうです。あなた様で抜かさせて頂きました。どうも、ドスケベ平谷です」
流石にキモすぎか……?
なぜか俯瞰で俺が見えて、不快な気分になってしまった。
真剣な眼差しで言ってしまったのも、余計にキモさを感じる。
いくら性に寛容な名月さんも、流石にこれは嫌われたかもしれない。
言った傍から後悔していると、
「そう、嬉しいわ」
流石はドスケベ女王、名月夏輝といったところだろか。
予想の斜めの上の回答が返ってきた。
嬉しい……のか?
自分を性処理の道具にされているんだぞ……?
「嫌じゃないのか?」
「嫌って……?」
「オカズにされたら普通に嫌だと思うけれど」
「まあ、普通の女の子はそうでしょうけど、私は普通じゃないから。何というか、私に女性の魅力を感じてくれて嬉しいって気持ちが強いわ」
「そういう考え方もあるのか」
名月さんはいつも、俺には無い視点での気づきを示してくれる。
「でも、他の女子にしてはダメよ。下手したら通報されるかもしれないから。そういうことはドスケベフレンドである私だけにしてちょうだい」
「あ、当たり前じゃないか!」
他の女子にそんなことをしたら、間違いなく永久追放だからな。
「それなら良かったわ。どう? 私のことを考えて、濃ゆいのが出たかしら?」
「とんでもないこと言っているよ、この人……」
「で、どうなのよ?」
「濃ゆいの……出ました」
「そう。妄想だけでイケるなんて、なかなか上級者ね」
「ドスケベだけが取り柄だから」
「その取り柄、素敵よ。あ、でも、妄想だけでは可哀そうだから、写真とかあげれば良かったわね。欲しい?」
「いいの⁉ 欲しすぎる!」
「そのガッツキ方、平谷君は本当にドスケベね」
「ごめん……普通に不快にさせたのなら申し訳ございませんでした」
「いいのよ。私たちドスケベフレンドなのだから」
「ドスケベフレンド、最高……!」
「そういえば、連絡先交換していなかったわね。今、交換しましょう」
「うん」
「ライムはやっているかしら?」
「家族としかやり取りしていないけど、一応」
「私もそんな感じよ。友達や恋人が居ないから、お互いこんな極限状態になっているのでしょうよ」
「それもそうだよな……」
「QRコード見せるわね」
「読み取ればいいのか?」
「そうよ」
こうして、俺と名月さんは連絡先を交換する。
ライムの友達リストには『名月夏輝』の名前が。
そういえば、初めて母さん以外の女子が俺のライムに登録された気がする。
「四発も五発も抜けるようなとびきりなドスケベ写真用意しておくから、お楽しみに♡」
「楽しみすぎる……」
しかし、朝っぱらの教室にて、男女でこんなドスケベトークを展開しているなんて、おかしな話である。
今はまだクラスに生徒が集まっていないのでセーフだが、他の生徒に聞かれでもしたら、とんでもないことになりかねない。
そうこうしていると、授業の開始時刻が迫り、ゾロゾロと生徒が集まってきた。
「じゃあ、またね」
これだけ生徒が集まってきたら、ドスケベトークなんて出来る訳ない。
そう判断したのか、名月さんはようやく俺の席から離れた。
彼女が自分の席に戻ろうとした、その時だった。
「あ、悪い」
通りがかった男子生徒の肩と名月さんの肩がぶつかった。
ぶつかった衝撃で、よろける名月さん。
そして衝撃がした方向を考えると、明らかに不自然な動きで、なぜか俺のもとへと迫ってくる。
そのまま、座っている俺に跨るような形で、名月さんは乗ってきた。
俺の身体を挟むように座っているせいで、彼女の股がぱっくり開いている。スカートが短いせいで、絶対領域が露になり、途轍もなくイヤらしい態勢になっている。
あと、普通に布越しではあるものの、名月さんの秘部と俺の秘部が接着している。
そのせいで、下半身が良からぬ生理現象を朝っぱらから起こし始める。
ドスケベフレンドになってからの記念すべき一発目のドスケベ……!
「め、名月さん……? こ、これはマズいよ……!」
名月さんは耳元で、俺にしか聞こえない声で囁く。
「(初回ログインボーナスよ。これからもよろしく頼むわね、平谷君♡)」
「~~~~ッッッッ‼」
こうして俺と名月さんという性に飢えた陰キャ男女による、ヒミツの学園“性”活が始まるのであった。




