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夢世界レベルアップ ~眠るたび異世界、目覚めるたび最強~  作者: 大雄山
第4章「遺跡編」

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神殿の違和感

朝。


悠真たちは、再び風の神殿を目指して歩いていた。


しばらく進み、神殿へと続く巨大な蔓の前までたどり着く。


蔓を見上げながら、フィルが口を開いた。


「今日は何も言いません。」


「いや、言ってるし。」


悠真がすぐに返すと、ミリアがフィルの隣で笑う。


「フィルちゃん、今日も頑張りましょう。」


「はいです〜。」


悠真たちは巨大な蔓の上へと足を踏み出した。


空へ向かって伸びる蔓を、ひたすら歩いていく。


しばらくして――。


ようやく風の神殿の入口までたどり着いた。


「ここで一度、休憩しましょう。」


「はいです〜。」


「分かりました。」


それぞれが足を止め、身体を休める。


ゼノンもその場に腰を下ろし、大きく息を吐いた。


「さすがに疲れたぞ。」


その姿を見て、ツバキが少し意外そうに笑う。


「ゼノンも疲れるのね。」


「当たり前だ。もう少し年寄りをいたわらんか。」


「ふふっ。」


神殿へ入る前の、束の間の休息。


悠真たちはしばらくそこで身体を休めることにした。


◇◇◇


しばらく休憩したあと、悠真は立ち上がった。


「みんな、行きましょう。」


悠真たちは再び神殿の中へと入り、五階層まで何事もなく降りてきた。


そして、前回たどり着いた巨大な扉の前に立つ。


悠真は扉を見上げたあと、隣にいるフィルへ声をかけた。


「フィル、どう? 何か感じる?」


「はい。はっきりと感じます。ただ……」


フィルは巨大な扉を見つめる。


「今は、助けを呼んでる感じがします。」


「え? なら、急いだ方がいいか」


悠真はすぐに扉へ視線を戻した。


「フィル、お願い。」


「はい。」


フィルは巨大な扉へ近づき、その中心にある魔石に手を触れる。


そして、ゆっくりと魔力を流し込んだ。


魔石が淡く輝き始める。


その光は中心から伸びるように、巨大な扉一面へと広がっていった。


やがて――。


ゴゴゴゴゴ……。


重い音を神殿内に響かせながら、巨大な扉がゆっくりと開き始めた。


扉の先へ足を踏み入れた瞬間、悠真たちは今までとは違う、わずかな違和感を覚えた。


これまでの神殿では感じなかった、邪悪な気配。


それは、神龍たちから感じたものとよく似ていた。


「いつも、こんな感じなのか?」


リシェルが周囲を警戒しながら尋ねる。


「いや、今回は違う感じだ」


悠真も表情を引き締める。


「急ごう。」


「分かった。」


「はい。」


悠真たちは足早に階段を降り、六階層へと向かった。


◇◇◇


六階層へ足を踏み入れて間もなく、フィルが前方を見つめる。


「ゲイルリザードです。でも、少し変ですね」


その視線の先には、一体のゲイルリザードがいた。


だが、その身体からは黒い邪悪な霧が立ち昇っている。


ゲイルリザードが悠真たちに気づいた。


次の瞬間――。


地面を蹴り、一気に飛びかかってくる。


「っ!」


悠真はすぐさま《魔力障壁》を展開した。


ガンッ!


ゲイルリザードが障壁へ激突する。


それでも止まらない。


障壁があるにもかかわらず、鋭い爪を振るい、牙を剥き出しにして襲いかかろうとしてくる。


「明らかにおかしいです!」


フィルが叫ぶ。


リシェルとミリアが左右へ分かれた。


二人の斬撃がゲイルリザードの身体を捉える。


だが――。


傷を負っても、ゲイルリザードは二人に見向きもしない。


その視線は、まっすぐフィルへ向けられていた。


その様子を見たツバキが声を上げる。


「フィルは悠真さんの《魔力障壁》の後ろにいて。」


「分かりました。」


そこへゼノンが踏み込んだ。


斧に炎をまとわせ、ゲイルリザードへと斬りかかる。


「これはいい。隙だらけだ。」


ザンッ!


ゼノンの斧が、ゲイルリザードの首を斬り落とした。


その身体が力を失い、地面へと倒れる。


「怖かったです〜。」


フィルがほっとしたように息を吐く。


ツバキは倒れたゲイルリザードを見つめながら、考え込む。


「どうしてかしら。邪悪な霧が出ていたけど、適合者を襲うことと何か関係があるのかしら……」


「フィルは次からも、俺から離れないでいてくれ。」


「分かりました〜。」


悠真は続けてツバキを見る。


「ツバキさんも、念のためフィルと一緒にいてください。」


「分かったわ。」


すると、リシェルが頷いた。


「私とミリアとゼノンで攻撃に回ります。」


「よろしく頼む。」


今までとは明らかに違う神殿。


その異変に戸惑いながらも、悠真たちは次の階層へと進んでいった。

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