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夢世界レベルアップ ~眠るたび異世界、目覚めるたび最強~  作者: 大雄山
第4章「遺跡編」

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守護者の先

悠真たちは、五階層へ到達しようとしていた。


階段を下り、その先へ足を踏み入れる。


広い部屋の中央には、一体のガーディアンが立っていた。


その巨体には風が纏わりつき、絶えず周囲の空気を揺らしている。


リシェルが足を止めた。


「あれか? ガーディアンは?」


「ああ。こっちから動かない限り、向こうは襲ってこない。おそらく奥にある扉を守っているだけなんだと思う」


悠真の言葉を聞き、リシェルはガーディアンの後方へ視線を向ける。


そこには、巨大な扉がそびえ立っていた。


「そうみたいだな」


その時――。


悠真の前に文字が浮かび上がった。


 ――――


【クエスト発生】


風のガーディアンを討伐せよ。


報酬:????


 ――――


悠真はガーディアンを見据えたまま、ツバキへ声をかける。


「ツバキさん。土と火の龍核兵を大型化してください」


「分かったわ。炎鉱石を出してくれる?」


「はい」


悠真が炎鉱石を取り出し、ツバキへ渡す。


ツバキはそれを受け取ると、二体の龍核兵へ手を触れた。


「《古代錬成》!」


その瞬間、二体の龍核兵の姿が変わっていく。


土の龍核兵は、その身体を膨張させ、ガーディアンと並ぶほどの巨体へ。


そして火の龍核兵は――これまでのリザード型から、炎を纏う人型の姿へと変貌した。


まるで炎そのものが形を得たかのような、イフリート型。


「お〜」


悠真とゼノンの声が重なった。


悠真は興味深そうに、その姿を見上げる。


「火の龍核兵は、こんな形になるんですね」


「そうみたい」


ツバキ自身も、変化した龍核兵を見上げる。


「大きさは変えられるけど、形はこの子たちの意思で決まるみたいね」


悠真はガーディアンを見据えながら、仲間たちへ指示を出す。


「ツバキさんと龍核兵たちは、ガーディアンを抑えてください」


「分かったわ」


「フィルは《多重詠唱》を」


「はいです」


「ゼノンさんは、僕とガーディアンを少しずつ削っていきます」


「おう」


「リシェルとミリアは遊撃を」


「はい」


それぞれが役割を確認し、戦闘態勢に入る。


まず動いたのは、二体の龍核兵だった。


ガーディアンとの距離を詰めていく。


その瞬間――。


それまで微動だにしなかったガーディアンが動き出した。


土と火の龍核兵はそのまま前後へ分かれ、ガーディアンを挟み込むようにして、その巨体を抑えつける。


「今ね」


ツバキが床へ手を当てる。


「《古代錬成》!」


ガーディアンの足元から巨大な岩の腕が生まれ、その身体をがっしりと掴む。


「行きます!」


悠真とゼノンが同時に駆け出した。


二体の龍核兵に前後から抑え込まれたガーディアンへ、左右から攻撃を仕掛ける。


だが――。


「くっ……!」


ガーディアンの身体を包む風が、二人の接近を阻む。


一歩踏み込むだけでも、身体を押し返すような強い風が吹きつけてくる。


それでも悠真とゼノンは少しずつ距離を詰め、左右から攻撃を重ねていく。


その隙を狙い、リシェルとミリアも攻撃を仕掛ける。


しかし、風を纏ったガーディアンとは相性が悪く、思うように攻撃が通らない。


その時だった。


ガーディアンが突然、身体を縮こませる。


その巨体が低く沈み、踏ん張るような体勢を取った。


リシェルが叫ぶ。


「悠真! 離れろ!」


次の瞬間――。


ガーディアンを中心に、竜巻のような猛烈な風が巻き上がった。


「うわっ!」


周囲にいた二体の龍核兵が、凄まじい風に巻き込まれて吹き飛ばされる。


悠真とゼノンも吹き飛ばされたが、なんとか持ち堪えた。


やがて、ガーディアンの周囲で荒れ狂っていた風が止んだ。


そのタイミングを待っていたフィルが声を上げる。


「いきますよ〜!」


「《アイススピア》!」


フィルの前に、巨大な氷の槍が生成される。


続けて――。


「《ウィンドプレス》!」


氷の槍の後方へ、圧縮された空気が集まっていく。


二つの魔法が重なり合う。


「《アイスショットー!》」


圧縮された空気が一気に解放された。


巨大な氷の槍が高速で回転しながら、ガーディアンへ向かって勢いよく発射される。


ガーディアンは咄嗟に風の障壁を張った。


だが――。


氷の槍はその障壁を突き破る。


ガーディアンは両手を伸ばし、迫る氷の槍を受け止めようとする。


それでも勢いは止まらない。


そのまま――。


巨大な氷の槍が、ガーディアンの胴体を貫いた。


ガーディアンの動きが止まる。


そして、その巨体は大きな音を立てながら崩れ落ちた。


悠真たちはなんとか、ガーディアンを倒すことができた。


 ――――


【クエスト達成】


風のガーディアンを討伐せよ。


LEVEL UP


Lv.64 → Lv.71


報酬:《リフレッシュ》


 ――――


(《リフレッシュ》……?)


崩れ落ちたガーディアンを見つめながら、ミリアがフィルへ駆け寄る。


「フィルちゃん、すごいです!」


「いつの間に《多重詠唱》なんて使えるようになったんだ?」


リシェルも驚いた様子で尋ねる。


フィルは待ってましたと言わんばかりに胸を張った。


「それはですね〜」


そして、得意げな顔で言い放つ。


「私が大魔法使いだからです。エヘン」


「ぷっ、確かにそうかもね」


悠真が思わず吹き出す。


「違いない」


ゼノンも笑いながら頷いた。


「まあ〜、あながちウソは言ってないかもね」


ツバキも楽しそうに笑う。


「あ〜。またバカにしてますね〜。ムゥ〜」


フィルが頬を膨らませる。


「いえ、ホントにすごかったです!」


ミリアだけは真っ直ぐな目でフィルを見つめていた。


「ミリアちゃんだけだよ〜。そう言ってくれるのは〜」


先ほどまでの激しい戦いが嘘だったかのように、辺りは和やかなムードに包まれた。


そんな中、リシェルがガーディアンの後ろにある巨大な扉の前へと歩いていく。


目の前にそびえ立つ扉を見上げる。


「これが……」


「うん。下の階層へつながる扉だね」


悠真も隣に立ち、扉を見上げた。


「どうする? 一度戻る? それとも試してみる?」


リシェルは少し考えたあと、静かに答える。


「……一度戻ろうと思う」


「そうか、分かった」


悠真はみんなの方へ振り返った。


「みんな、一度戻って族長に報告しにいこう」


「はい」


「はいです〜」


一行が扉から離れていく。


その時――。


フィルだけが、もう一度扉の方へ振り返った。


「…………」


巨大な扉をじっと見つめる。


(……なんだろ、何か呼ばれてる気がする)


「フィル、いきますよ」


先を歩いていたツバキの声に、フィルは我に返った。


「はいです〜」


フィルはみんなの後を追いかける。


そして悠真たちは巨大な扉を後にし、ソレイアへと戻っていった。


挿絵(By みてみん)

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