リーフ村の異変
畑に人影はなく、家々の扉は固く閉ざされている。
広場には武器を持った男たちが集まり、不安そうな表情で話し合っていた。
「何かあったんですか?」
悠真が声を掛けると、一人の女性が幼い男の子を抱き寄せながら答えた。
「毎晩……魔物が来るんです。」
「畑を荒らして、家畜を連れていってしまうんです……。」
男の子が悠真を見上げる。
「お兄ちゃん、冒険者?」
「……冒険者ではないかな〜。」
「魔物、やっつけられる?」
悠真は少し笑って答えた。
「約束はできない。でも、できることはやってみるよ。」
その言葉に、男の子は少しだけ笑顔を見せた。
その笑顔を見て、悠真は心の中で決める。
(この村は守りたい。)
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村長の家では状況説明が行われていた。
「もう何日も前から被害が続いております。」
「見張りを立てても姿が見えず、朝になると畑だけが荒らされているのです。」
村人の一人がため息をつく。
「足跡も途中で消える。」
「大型の魔物じゃない。」
「正体が分からない。」
畑へ向かう。
踏み荒らされた土。
折れた柵。
散乱した野菜。
悠真はしゃがみ込み、地面を確認した。
「……ある。」
微かに残る足跡。
そして枝の折れ方。
「森へ向かってる。」
森の中へ入る。
静かだ。
静かすぎる。
その時。
ガサッ……
茂みが揺れる。
ゴブリン。
一匹。
二匹。
三匹。
さらに奥から次々と現れる。
そして最後に現れたのは、一回り大きな体をした一体。
鉄の剣を持ち、革鎧を身に着けた個体。
「……でかっ。」
その瞬間。
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【クエスト達成】
『リーフ村を救え』
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直後、画面が赤く染まる。
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【緊急クエスト発生】
『ゴブリンリーダー率いる群れを撃退せよ』
失敗条件
リーフ村への被害拡大
報酬:???
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「ギィィッ!」
リーダーが叫ぶ。
ゴブリンたちが一斉に飛び出した。
悠真はリシェルから預かった短剣で一体を斬り伏せる。
だが、横からもう一体。
「くっ!」
腕を切られる。
さらに背後。
見えない。
避けられない。
(しまった……!)
その瞬間だった。
青いウィンドウが黄金色に輝く。
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【緊急報酬適用】
調査クエスト報酬を受領します。
《気配察知》
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世界が変わった。
風。
土を踏む音。
敵の呼吸。
背後にいる。
右から来る。
自然と分かる。
「そこだ!」
振り向きざまに短剣を振る。
ゴブリンを倒す。
《見切り》と《気配察知》。
二つが噛み合い始める。
それでも苦しい。
肩で息をし、腕は震える。
リーダーが向かってきた。
普通のゴブリンより速い。
重い。
何度も短剣が弾かれる。
「まだ……!」
リーダーの剣が振り下ろされる。
悠真は《見切り》で紙一重にかわし、懐へ飛び込む。
オーガとの戦いで見た、リシェルの剣筋を思い出す。
腰を落とし、全身で短剣を振り抜く。
「はぁぁぁっ!!」
短剣はリーダーの首を切り裂いた。
リーダーはゆっくりと崩れ落ちる。
残っていたゴブリンたちは逃げ出していった。
森に静寂が戻る。
悠真はその場に膝をつく。
「……勝った。」
傷だらけだった。
腕は痛み、足も震えている。
それでも、一人で勝った。
その時。
青いウィンドウが静かに浮かび上がる。
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【緊急クエスト達成】
『ゴブリンリーダー率いる群れを撃退せよ』
【報酬獲得】
《アイテムBOX》
レベルアップ!
Lv.8→Lv.10
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「……アイテムBOX?」
悠真がそう呟いた瞬間、目の前に小さな空間が開いた。
中は空っぽだ。
「これが……報酬?」
その能力が、この先の長い旅を支える大切な力になることを、悠真はまだ知らなかった。




