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夢世界レベルアップ ~眠るたび異世界、目覚めるたび最強~  作者: 大雄山
第4章「遺跡編」

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古代の知識

「よし。受け取るぞ」


 ゼノンが答えた。


『承知した』


 神龍の身体が、淡い光を放ち始める。


 その光はゆっくりとゼノンへと集まり――。


「おお……」


 やがて、ゼノンの身体へ吸い込まれるように消えていった。


 そしてゼノンの手には、土の神龍の時と同じように二つのものが残されていた。


 火の神龍の逆鱗。


 そして、龍核。


『汝らの祠への出入りを許そう』


「ありがとうございます」


『我は少し眠る』


 そう言い残すと、神龍はゆっくりと目を閉じた。


 しばらくすると、静かな寝息が聞こえてくる。


「寝ちゃいましたね〜」


「ああ」


 フィルがゼノンへ近づく。


「何を授かったんですか〜?」


「古代の鍛冶の知識と、《古代鍛錬》というものだ」


「古代鍛造?」


「ああ。それと、《古代鍛錬》に必要な《神炎》だ」


「神炎?」


 ゼノンの手のひらに、淡い小さな炎が灯る。


「おお〜」


「《神炎》とは、鍛冶に必要な炎を生み出し、操れるものだ。この場で、この逆鱗と悠真の剣を打ち直すことも出来る」


「へ〜。凄いですね〜」


「ああ。まだまだ隠された力がありそうだがな」


 ゼノンは自分の身体を確かめるように見下ろす。


「それと、火の神龍の加護が付いたぞ。魔力もだいぶ上がって、何でも出来そうだ」


「それは凄いです」


 悠真も驚きながらゼノンを見る。


「さて、下に行ってみましょう」


 ツバキが階段へ目を向ける。


「はい」


「行きましょ〜」


 四人は祠のある十階層へと向かった。


 階段を下りた先には、土の神殿と同じような光景が広がっていた。


 部屋の中央には祠。


 そして、その傍らには古文書が置かれている。


「あっ、ありました〜」


 フィルが古文書へ近づき、中を調べる。


「やっぱり、腐食してあんまり読めませんね〜」


「こっちもか……」


 悠真も横から覗き込む。


 文字の大部分は消えかかり、まともに読むことが出来ない。


 フィルが顔を上げる。


「悠真さんの《修復》で、なんとかなりませんか〜?」


「無理だよ〜。一年以内のものまでしか修復できないから」


「そうでした〜」


「まあ、試しにやってみるよ」


 悠真は古文書へ触れる。


「《修復》」


 古文書が淡い光に包まれる。


「おお〜」


 やがて、光がゆっくりと収まっていった。


 悠真は古文書を見つめる。


「やっぱり、ダメだね」


「待って下さい」


 フィルが古文書へ顔を近づけた。


「わずかに読める部分があります」


「本当?」


「はい。えっと……」


 フィルは一文字ずつ拾うように読み上げる。


「……七英雄……古代魔法……」


「七英雄?」


「それから……」


 フィルが目を細める。


「……リクサーから霊薬へ……は……の素材が……」


 しばらく古文書を調べる。


「……これくらいしか分かりません」


「リクサー?」


 ツバキが反応する。


「エリクサーのことかしら?」


「エリクサー?」


「ええ。ってことは……霊薬を作るには、エリクサーが必要ってことかしら……」


 ツバキは古文書を見つめる。


「それに、七英雄って……」


「何か分かったのか?」


 ゼノンが尋ねる。


「ええ。私が追い求める霊薬には、エリクサーと何かが必要ってことね」


「何か?」


「そこまでは読めないわ」


 ツバキは再び古文書へ目を落とす。


「でも……七英雄って何のことかしら?」


 フィルが首を傾げる。


「土の神殿で見た古文書にあった古代種と封印……何か関係があるんでしょうか〜?」


「全ては繋がっているんでしょうか?」


 悠真の言葉に、ツバキは少し考える。


「……断言は出来ないわね」


 そして、静かに続ける。


「それに、私たち適合者の存在……」


「ま〜、また次の神殿へ行ってみれば、何か分かるかもしれませんね〜」


「そうね」


 ツバキが頷いた。


「じゃ〜、戻るとするか」


 ゼノンが火の神龍の逆鱗を見る。


「俺は早く戻って、古代の知識を使って悠真の剣とこの逆鱗で打ち直したいんだ」


「分かったわ。戻りましょ」


「賛成です〜」


 四人は祠をあとにし、九階層へと上がった。


 すると――。


「……ん?」


 そこには、巨大な何かが立っていた。


「…………」


 ツバキはその姿を見上げる。


「……ごめんなさい。そのサイズのままじゃ着いてこれなかったわね」


 龍核兵は身体が大きすぎて階段を通ることが出来ず、その場に残されていた。


 ツバキは龍核兵に触れる。


「《古代錬成》」


 龍核兵の身体が縮んでいき、元の大きさへと戻った。


「さて、戻りましょ」


 こうして悠真たちは、火の神殿をあとにした。

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