表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢世界レベルアップ ~眠るたび異世界、目覚めるたび最強~  作者: 大雄山
第4章「遺跡編」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
45/64

試練の間

 ロックタートルは、ゆっくりと首を持ち上げた。


 赤い瞳が三人を見つめている。


「先手を取る!」


 悠真は剣を構えた。


「ウィンドエンチャント!」


 剣に風がまとわりつく。


「ウィンドスラッシュ!」


 鋭い斬撃が放たれる。


 しかし――。


 ガキィンッ!


 ロックタートルは甲羅で攻撃を受け止めた。


「硬い……!」


「やっぱりですね〜。」


 フィルも魔法を放つ。


「ウィンドカッター!」


 だが、結果は同じだった。


 甲羅には傷一つついていない。


「風が駄目なら!」


「アイスエンチャント!」


 悠真の剣を巨大な氷が包み込む。


 二メートルほどの氷の大剣が姿を現した。


「はあっ!」


 強烈な一撃が甲羅へ叩き込まれる。


 だが――。


 バキィッ!


 砕けたのは、氷のほうだった。


「そんな……。」


「硬すぎますね〜。」


 悠真は剣を握り直した。


「アースエンチャント!」


「剛力!」


 全身に力がみなぎる。


 渾身の一撃が叩き込まれた。


 ゴォンッ!


 甲羅にわずかな傷が刻まれる。


「やっとか……。」


 しかし、ロックタートルは平然としていた。


 フィルも次々と魔法を放つ。


「アイスアロー!」


「アイススピア!」


 だが、ほとんど効果はない。


「ツバキさん。」


「少し時間を稼げますか?」


「分かりました。」


 ツバキは床へ手を当てた。


「(錬成)」


 大地が揺れ、石の壁が出現する。


 ロックタートルは、壁の内側へ閉じ込められた。


 フィルは静かに杖を構えた。


「少し時間をください〜。」


 空気が震える。


 氷の魔力が集まり始めた。


 次の瞬間――。


 ロックタートルが石壁を破壊した。


「アイスランス!」


「エアプレス!」


「アイスショットー!!」


 巨大な氷の槍が圧縮された風とともに発射される。


 ドォォォンッ!


 氷の槍がロックタートルの横腹へ突き刺さった。


 グオオオオォォォ――ッ!


 ロックタートルは苦しそうな声を上げた。


 そして、首と手足を甲羅の中へ引っ込める。


「来ますよ〜!」


 巨体が回転を始めた。


 轟音とともに、一直線に突進してくる。


「待っていました〜。」


 フィルは不敵な笑みを浮かべた。


「アイスフィールド!」


 床が一瞬で氷に覆われる。


 ロックタートルは止まれない。


 そのまま滑り続け――。


 ドゴォォォンッ!


 壁へ激突した。


「今です!」


「フレイエンチャント!」


 剣が紅蓮の炎に包まれる。


「フレイスラッシュ!」


 フィルも魔法を放った。


「フレイランス!」


 炎がロックタートルを包み込む。


 グオオオォォォ――ッ!


 やがて巨体は動きを止めた。


「終わりましたね〜。」



 三人は、その場へ座り込んだ。


「もう限界です〜。」


 フィルが床へ倒れ込む。


 ツバキも小さく笑った。


「疲れましたね。」


「次の階層へ進む前に、昼食にしましょう。」


「賛成です〜。」


 悠真はアイテムボックスからガスコンロと鍋を取り出した。


「また始まりましたね〜。」


「今日はカレーだ。」


「カレー?」


「元気が出る食べ物だよ。」


 悠真はレトルトのご飯とカレーを鍋へ入れた。


 しばらくすると、香ばしい香りが辺りへ広がっていく。


「カレーは久しぶりです〜。」


「これは楽しみです。」


 三人は静かに手を合わせた。


「いただきます。」


 フィルは一口食べる。


 そして、大きく目を見開いた。


「やっぱりカレーは、おいしいです〜!」


 ツバキも驚いていた。


「こんな料理は初めてですね。」


「簡単に作れるのがすごいところなんだ。」


「錬金術で再現できないか試してみたくなりますね。」


「それは難しいかもしれないな。」


 三人は笑い合った。



 昼食を終えた三人は、九階層へ向かった。


 そこには、巨大な扉がそびえ立っていた。


 ツバキは迷うことなく魔石へ手を伸ばす。


 土属性の魔力が流れ込み、扉全体が光り始めた。


 ゴゴゴゴゴ……。


 ゆっくりと扉が開いていく。


 三人は息をのんだ。


 そして――。


 そこは、巨大な円形の広間だった。


「なっ……!」


 ツバキが息をのむ。


 そこには、一体の巨大なドラゴンがいた。


 黄金の瞳。


 岩のような鱗。


 鋭い爪。


 その姿は、まさしく神話に語られる龍そのものだった。


 だが、その全身は黒い靄に覆われていた。


 禍々しい気配が、広間全体へ広がっていく。


 フィルが震える声でつぶやいた。


「そんな……。」


「どうして龍が……。」


 次の瞬間、龍がゆっくりと目を開いた。


『……適合者よ。』


 低く、重々しい声が響き渡る。


『我の意識が失われる前に、試練を乗り越えよ。』


『さもなくば、この地は闇に飲み込まれる。』


 そして、龍は大きく翼を広げた。


『我は土を司る神龍。』


『汝らの力を示せ。』


 黒い靄が、さらに濃くなっていく。


 神龍は苦しそうに顔を上げた。


『急げ。』


『我は……もう長くはもたぬ。』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ