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夢世界レベルアップ ~眠るたび異世界、目覚めるたび最強~  作者: 大雄山
第4章「遺跡編」

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 朝日が月読の街を優しく照らしていた。


 悠真たちは、土の神殿へ向かう準備を整えていた。


 カエデは玄関先まで見送りに来ている。


「気をつけて行ってきな。」


「はい。」


 悠真は笑顔で頷いた。


「行ってきまーす。」


 フィルが元気よく手を振る。


「ママ、いってらっしゃい。」


 スズが小さな声で言った。


 ツバキは優しく微笑む。


「ええ。行ってきます。」


 三人は月読をあとにし、土の神殿へ向かった。



「また、階段ですか〜……。」


 フィルは大きく肩を落とした。


 悠真とツバキは顔を見合わせ、苦笑する。


「仕方ないわ。」


「これも試練ですよ。」


「そんなぁ〜……。」


 長い石段を登り切り、巨大な橋を渡る。


 そして、三人は再び土の神殿へたどり着いた。


 悠真は神殿を見上げる。


「まずは一階層ですね。」


「昨日、調査は終わっています。」


「そのまま二階層へ向かいましょう。」


 ツバキが頷く。


「ええ。」


「二階層にはストーンラビットがいます。」


「動きは速いですが、それほど強くはありません。」



 二階層へ降りた瞬間だった。


 岩陰から、小さな影が飛び出してくる。


「来ましたよ〜!」


 フィルが杖を掲げた。


「アイスフィールド!」


 床一面が凍りつく。


 飛び跳ねていたストーンラビットたちは、次々と足を滑らせて転倒した。


 ツバキは静かに床へしゃがみ込んだ。


 そして、凍った床へそっと手を当てる。


 次の瞬間、床に張られた氷が鋭い棘へと姿を変えた。


 ストーンラビットたちは逃げる間もなく、その場に倒れていった。


 数分後。


 戦いは終わっていた。


「……終わり?」


 悠真はぽつりとつぶやいた。


(そりゃあ、床に氷を張られたら何もできないよな……。)


 フィルは満足そうに頷く。


「ふふん。」


 そして、床に張られた氷を解除した。


「さっ、悠真さん。行きますよ!」


 フィルは得意そうに胸を張る。


 ツバキも微笑んだ。


「ええ。先はまだ長いですから。」



 三階層へ向かう。


「三階層はロックウルフです。」


「ラビットほど楽にはいきませんよ。」


 ツバキの言葉が終わるのと同時だった。


 複数の影が飛び出してくる。


「来ました!」


 ロックウルフたちは連携しながら、一斉に飛びかかってきた。


「魔力障壁!」


 悠真はとっさに障壁を展開する。


 ウルフたちは壁を蹴り、すぐに体勢を立て直した。


「くっ……。」


「さすがに簡単にはいかないか。」


「ウィンドカッター!」


 フィルの風の刃が放たれる。


 しかし、ウルフたちは素早く身をかわした。


 一匹がツバキへ飛びかかる。


 ツバキは短剣を抜き放ち、紙一重で攻撃をかわした。


「なかなか厄介ね。」


 悠真も剣を構える。


 だが、相手の連携は見事だった。


 攻めても、すぐに仲間が援護に入る。


 それでも、三人は少しずつ押し返していった。


「今です!」


 フィルが杖を振り上げる。


「アイスウォール!」


 氷の壁が現れ、ウルフたちの動きを封じた。


「はあっ!」


 悠真の剣が閃く。


 やがて、最後の一匹も倒れた。


「ふぅ……。」


 フィルは魔力回復薬を飲み干した。


「疲れましたね〜。」


「なかなか動きが速くて、魔法が当たりませんでしたよ〜。」


 ツバキも小さく息を吐く。


「そうね。」


「あの連携は厄介だったわ。」


 しかし、悠真だけは元気そうだった。


「次は四階層ですね。」


「悠真さんは元気ですね〜。」


 フィルは驚いた顔をする。



「四階層はアースベアです。」


「単体ですが、力は強いですよ。」


「少し休憩してから行きましょう。」


 悠真は壁に刻まれた古代文字を見ながら歩いていた。


「悠真さ〜ん。」


「休憩しないんですか〜?」


「うーん。」


「いろいろ気になってさ。」


 ツバキは少しだけ笑った。


「悠真さんは、本当に何にでも興味を持つんですね。」



 四階層。


 部屋の中央では、巨大なアースベアが待ち構えていた。


「アイスアロー!」


 氷の矢が命中する。


 しかし、ベアは平然としていた。


「効いてない!?」


 悠真は剣を構え、一気に間合いを詰める。


「ガキィィン!」


 ベアは巨大な爪を振り下ろした。


「これは……手強そうね。」


 ツバキは腰の袋から小瓶を取り出し、ベアに投げつけた。


 瓶が砕け、薬品がベアへ降りかかる。


「グル?」


「フィル!」


 ツバキが叫ぶ。


 フィルは背後へ回り込んだ。


「アイススピアー!」


 鋭い氷の槍が突き刺さる。


「グオォォォッ!」


 ベアが悲鳴を上げた。


 その隙を逃さず、悠真が飛び込む。


「はあっ!」


 剣がベアを切り裂いた。


 ベアは大きな音を立てて倒れた。


「ツバキさん。」


「あれは何だったんですか?」


「あれは、悠真さんたちに渡した薬とは逆の薬よ。」


「身体能力と魔力を低下させる薬なの。」


「そんなものまであるんですね〜!」


 フィルは感心したように頷いた。


「さすがです。」


 ツバキは少しだけ照れくさそうに笑った。


「さて……。」


「いよいよ五階層ね。」


「五階層はアースリザードです。」


 悠真は頷いた。


「アースリザードとは一度戦ったことがあります。」


「大丈夫だと思います。」


 ツバキは真剣な表情を浮かべた。


「油断は禁物ですよ。」



 三人は五階層へ足を踏み入れた。


「えっ……?」


 悠真たちは、その場で立ち止まる。


 そこにいたのは、アースリザードではなかった。


 巨大な岩のような塊が、ゆっくりと立ち上がったのだ。


 フィルが目を見開く。


「ガーディアン!?」


「学院の本で読んだことがあります!」


 ツバキも表情を強張らせた。


「うそ……。」


「そんなことって……。」


 そのときだった。


 悠真は、その存在に気づいた。


「ツバキさん!」


「ガーディアンの後ろに扉があります!」


「えっ!?」


 ツバキは驚き、視線を向けた。


 そこには、巨大な石の扉が静かに佇んでいた。


「何故……!?」


 静寂が辺りを包み込む。


 そして――。


 ガーディアンが、ゆっくりと大剣を地面に突き立てた。

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