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夢世界レベルアップ ~眠るたび異世界、目覚めるたび最強~  作者: 大雄山
第1章「夢の始まり編」

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続く夢


──ゴーン……


どこか遠くで鐘が鳴る。


柔らかな光が目の前に広がる。


気が付くと、悠真は光の中に立っていた。


光がゆっくりと消えていく。


足元には草原。


「……また来た。」


先ほどと同じ場所だった。


夢なのに、ちゃんと続きがある。


悠真は自然と笑みを浮かべる。


「今日は街まで行ける。」


そう言って歩き出した。


さっきよりも足取りは軽い。


草を踏む音。


風の匂い。


流れる小川。


どれも昨日と変わらない。


しばらく進むと、水辺の近くで何かが動いた。


ぷるん……


青く透き通った、小さなスライムだった。


「本当にいるのか……。」


スライムはこちらを見ると、小さく跳ねながら近づいてくる。


かわいい。


そう思った次の瞬間。


勢いよく飛びかかってきた。


「うわっ!」


悠真は後ろへ飛び退く。


近くに落ちていた木の枝を拾う。


「来るなら!」


飛びかかるスライムを横へかわし、枝を振る。


ベチャッ!


スライムは地面へ落ちる。


しかし、すぐに跳ね起きた。


「まだか!」


もう一撃。


そして三撃目。


スライムは力なく倒れ、そのまま動かなくなった。


悠真は息を整えながら近寄る。


「……死んだのか。」


しばらく待っても消えない。


ゲームのように光にもならない。


そこには、小さな命の亡骸だけが残っていた。


「夢なのに……。」


胸が少し痛んだ。


悠真は近くの枝を使い、小さな穴を掘る。


スライムをそっと寝かせ、静かに土をかぶせた。


「安らかに。」


手を合わせた、その瞬間だった。


青白い文字が目の前へ浮かび上がる。


レベルアップ


Lv.1 → Lv.2


周りを見回す。


この文字は自分にしか見えていないようだった。


「何なんだ、この世界は……。」


答えは見つからない。


けれど、不思議と怖くはなかった。


もっと知りたい。


その気持ちの方が強かった。


太陽はゆっくり西へ傾いていく。


悠真は街を目指して歩き続けた。


しかし、夕暮れが近づいた頃。


──ゴーン……


再び鐘が鳴る。


その音を聞いた瞬間、悠真の身体が淡い光に包まれ始めた。


「えっ……?」


光はどんどん強くなる。


「待ってくれ! まだ街に……!」


手を伸ばす。


その声も届かないまま、悠真の姿は光の中へ消えていった。



「はっ!」


悠真は勢いよく起き上がる。


時計を見る。


午前一時十三分。


「……一時間。」


夢世界では朝から夕方まで過ごした。


なのに、現実では一時間しか経っていない。


「やっぱり、おかしい……。」


ベッドから立ち上がると、体が昨日より軽い気がした。


握った拳に力がみなぎる。


夢の中で見た文字が脳裏によみがえった。


Lv.2


悠真は静かに窓の外を見つめる。


「あの世界は……夢なんかじゃないのかもしれない。」


そうつぶやき、再びベッドへ横になった。


まだ鼓動は高鳴ったままだった。


もう一度、あの世界へ行きたい。


悠真は、そう強く願っていた。

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