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夢世界レベルアップ ~眠るたび異世界、目覚めるたび最強~  作者: 大雄山
第2章「王都編」

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王都再訪

柔らかな光が部屋を包む。


 無数の光の粒がゆっくりと集まり、一人の青年の姿を形作っていく。


 眩い輝きが静かに収まると、神崎悠真は静かに目を開けた。


「……戻ってきた。」


 見慣れた天井。


 リシェルの家の客間だった。


 ソファからゆっくりと起き上がる。


 窓の外から差し込む陽射しは明るい。


「昼……か。」


 夢世界へ来る時間は、毎回同じではない。


 夜に戻ることもあれば、こうして昼間に戻ることもある。


「時間の流れ、本当に不思議だな。」


 そう呟きながら部屋を見回す。


「リシェル?」


 返事はない。


 リビングへ向かうと、テーブルの上に一枚の手紙が置かれていた。



悠真へ


騎士団の任務で夕方まで留守にしています。


家の鍵は開けてありますので、自由に使ってください。


お腹が空いたら台所も自由に使ってください。


夕方には戻ります。


      ――リシェル



「相変わらず律儀だな。」


 悠真は微笑み、手紙を元の場所へ戻した。


「せっかくだし、ギルドに行ってみるか。」


 身支度を整え、家を後にする。



 王都は今日も活気に満ちていた。


 石畳を馬車が走り、露店には色鮮やかな果物や焼きたてのパンが並ぶ。


 子どもたちの笑い声が聞こえ、大道芸人の周りには人だかりができている。


「何度歩いても飽きない街だな。」


 景色を楽しみながら、悠真は冒険者ギルドへ向かった。



「いらっしゃいませ。」


 受付嬢が悠真を見ると、柔らかな笑顔を見せた。


「神崎さん。本日も依頼ですか?」


「はい。」


 悠真は掲示板へ向かう。


 討伐依頼。


 護衛依頼。


 素材採取。


 さまざまな依頼が並んでいる。


 その中から、一枚の依頼書を手に取った。



【薬草採取】


場所:王都東の森


内容:ヒール草を十本採取


報酬:銀貨五枚



 依頼書を手にした瞬間。


 青白いウィンドウが浮かび上がる。



【クエスト発生】


薬草を十本採取せよ。


報酬:???



「やっぱり出るか。」


 悠真は苦笑しながら王都東の森へ向かった。



 森の中は穏やかだった。


 木漏れ日が地面を照らし、小鳥のさえずりが響いている。


 悠真は周囲を見渡しながら歩く。


「以前より見つけやすいな。」


 薬草の特徴も覚え、森を歩くことにも慣れてきた。


 一つ。


 二つ。


 三つ。


 順調にヒール草を採取していく。


 採取した薬草は、アイテムBOXへ収納する。


 淡い光に包まれ、薬草は一つずつ収納されていった。


「やっぱり便利だ。」


 十分も経たないうちに十本が揃う。


「これで終わりだな。」


 悠真は王都へ引き返した。



「ヒール草十本、確認しました。」


 受付嬢が笑顔で頷く。


「依頼達成です。」


 銀貨が渡される。


 その瞬間。


 青いウィンドウが現れた。



【クエスト達成】


薬草を十本採取せよ。


報酬を受領します。



【報酬獲得】


《鑑定》



「鑑定?」


 新しい知識が頭の中へ流れ込む。


 試しに受付カウンターへ置かれた薬草へ意識を向ける。



【ヒール草】


初級回復薬の材料。


品質:良



「なるほど……。」


 さらに受付嬢が持っていた小瓶へ目を向ける。



【初級回復薬】


体力をわずかに回復する。


品質:並



「これは便利だ。」


 思わず感心する。


 そして苦笑した。


「依頼を受ける前に欲しかったな。」


 薬草探しが、もっと簡単になっていただろう。


 だが、新しい力を得られたことは素直に嬉しかった。



 夕暮れ。


 冒険者ギルドを出ると、入口の前に見慣れた白銀の鎧が立っていた。


「お待たせしました。」


「リシェル。」


 彼女は穏やかに微笑む。


「依頼は無事に終わりましたか?」


「うん。採取依頼だけだったから。」


「それなら安心しました。」


 二人は並んで歩き出す。


 夕日に染まる王都を眺めながら、食堂へ向かった。



 温かい料理が運ばれてくる。


「今日はどんな一日でしたか?」


「薬草採取だけだったよ。」


「そうですか。」


 リシェルは少し安心したように微笑んだ。


「明日は騎士団の巡回任務があります。」


「街道や周辺の森の警戒です。」


「見学してもいい?」


 リシェルは少し考え、頷く。


「危険な時は私の指示に従うこと。それを約束していただけるなら。」


「約束する。」


「では、一緒に行きましょう。」



 食事を終え、二人は家へ戻る。


 静かな夜。


 客間へ案内され、悠真はベッドへ腰を下ろした。


「今日はありがとうございました。」


「こちらこそ。」


「それでは、おやすみなさい。」


「おやすみ。」


 明日は初めて騎士団の任務に同行する。


 どんな出会いが待っているのか。


 少しの期待を胸に抱きながら、悠真は静かに目を閉じた。

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