表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『現想 ― フィクションが現実に現れた世界 ―』  作者: 阿井 愛
第1章 現災署加入編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/50

第14話おまけ

 現災署の自動扉が静かに開いた。


 外の光が廊下へ流れ込み、その中を花が歩いて出てくる。

 数歩進んだところで、ふと足を止めた。


 そして肩越しに振り向く。


 視線の先には、入口の横に立つ実がいた。


「今日はいつ帰るの」


 花の声は、いつも通りそっけない声に戻っていた。


「21時くらいだと思うよ」


 実は軽く笑って答える。


「そ」


 花は短く返し、視線を前に戻した。

 そのまま振り返ることなく歩き出す。


 実はその背に向かって手を振る。

 柔らかく笑いながら、遠ざかる姿を見送った。


 その隣で、狩野が壁にもたれて腕を組んでいる。


「……かわいくねえ妹だな」


 ぼそりと呟いた。


「え」


 実がすっと顔を向ける。


「殴りますよ?」


 いつものつぶらな瞳から、光が消えていた。


「え、あ……す、すまん」


 狩野は一歩引き、慌てて手を振った。



 一時間後。


 現災署の廊下を、狩野が一人で歩いていた。


「う〜ん……」


 腕を組み、首を傾げながら。


「あれ狩野、今日休みじゃなかった?」


 前からの声に狩野が顔を上げる。


 少し先に、ツグミが立っていた。


「昨日の現災の報告だけしにきたんだよ」


「あー、そういうことね」


 ツグミは興味なさそうにそう答えた。


「あ」


 狩野はツグミの顔を見て、突然目を細める。


「……え、なによ。人の顔ジロジロ見て」


「いや、なんであいつを可愛くねえって思ったか今わかってさ」


 狩野は少し嬉しそうに頷いた。


「……?」


 ツグミが気味悪そうに眉を寄せる。


「お前に似てるからだ。実の妹」


「は?」


「う"っ……!!」


 次の瞬間。


 狩野は腹を押さえ、その場に崩れ落ちた。


 床に蹲る。


 ツグミは腕を軽く下ろし、倒れた狩野を見下ろした。

 まるで汚物でも見るような目だった。


「殴るわよ?」


「も、もう殴ってんじゃん……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ