第67話 レオの焦り
お昼になるとガゼフさんとリエルが家に戻ってきた。
「よく来たのうレオ、元気じゃったか?」
「はい。ガゼフさんもお元気そうでなによりです」
「お久しぶりですねアナさん」
「リエルさん突然押しかけてすみません」
レオとアナのエルフの兄妹を見てお互い手を取り合い懐かしむ面々。
「これからちょうど昼ご飯じゃから一緒に食べていくとええ。リエル、二人の分も用意しておくれ」
「はーい」
「すみません、気を遣わせてしまって」
「何を言うか。お主たちは家族みたいなもんじゃろうが、ほっほっほ」
ガゼフさんは上機嫌で笑みをこぼす。
「兄さん、私何か手伝ってくるね」
そう言ってアナはキッチンへと向かった。
「ガゼフさん、そういえばガジュウはどうしたんですか?」
「あー、あやつならまだ牛にエサをやっておりますじゃ」
「そうですか」
空腹でお腹を鳴らしながら牛の世話をしているガジュウの姿が目に浮かぶ。
「してレオや、今日はどうしたんじゃ?」
「はい、村の再建が順調に済みましたという報告をさせてもらいに来ました」
「そうかそうか、それはよかったのう」
「それと村長のいいつけでバランさんをエルフの村にご招待しに来ました」
「何、エルフの村にとな?」
「よかったらみなさんもどうですか?」
テーブルを布巾で拭きながらアナが言った。
「私たちもいいんですか?」
と今度は菜の花のおひたしをお盆に乗せて持ってきたリエルが返す。
「はいぜひ。みなさんも私たちの恩人ですから」
「ほっほっほ。エルフの村か、どんなところなんじゃろうのう」
ガゼフさんが宙を見上げつぶやいた。
「アナ、村長はバランさんをお連れしろと言ったんだぞ。いくら僕たちの恩人でもそんな大勢にエルフの村の場所を教えたらまずいんじゃないか?」
「え? そうかな~?」
「そうさ。それにエルフの村の場所を考えてみろ、ガゼフさんやリエルさんにあんな急な崖を上らせるわけにはいかないだろ」
「う~ん、それは確かにそうね」
とアナが口元に手をやる。
「どういうことじゃ?」
「実は今回再建した僕らの村はオークに襲われた教訓を生かしてモンスターから狙われないようにかなり高い崖の上に作ったんです。なのでガゼフさんたちには村に来てもらうのは難しいと思います」
「ふむ、そうじゃったのか。残念じゃのう」
あからさまに肩を落とすガゼフさん。
「いいじゃないおじいちゃん、バランさんにお土産話を聞かせてもらえば。ね? バランさん」
「ああ、そうだな。戻ったら出来る限りお話しますので楽しみにしててくださいガゼフさん」
「おお、バランどの。それはありがたいですじゃ」
ガゼフさんは顔を明るくした。
☆ ☆ ☆
昼ご飯を済ませると俺はレオに急かされるように手を引かれガゼフさんの家を出た。
アナも後を追いかけてくる。
「兄さんてば、そんなに急がなくてもいいのに」
靴を履きながらもらす。
「べ、別に急いでなんかいないさ」
「バランさん、気を付けて行ってきてくださいね」
リエルの見送りを背に俺とレオとアナは村を旅立った。
アナではないが俺もレオの言動に若干の違和感を覚えた。
急いでいるような焦っているようなそんな感じがする。
そしてその理由はエルフの村に着いてすぐ明らかになったのだった。
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