第62話 ララカイ山
道中襲ってきたモンスターを返り討ちにしながら俺とマリアはララカイ山へとたどり着いた。
「やっと着いたな」
「ここにノーム草という薬草があるんですよね」
錬金術に使う素材集めの依頼で俺たちはジアスコ郡のカジカ村にあるギルドを出発して同じくジアスコ郡のララカイ山に来ていた。
見渡す限り草、草、草のララカイ山。
「これだけ草が生えてるとどれがノーム草かわからないぞ」
「バランさん、わたしに任せてください。こんなこともあろうかとわたしいいものを持ってきているんです」
そう言ってマリアがバッグから取り出したのは結構分厚い薬草図鑑。
「そんなものいつの間に用意してたんだ?」
「ガゼフさんが役に立つかもしれないから持っていきなさいって言ってくれて」
とマリア。
「ここまで重かっただろ。俺が持とうか?」
「いえ平気です。いつもいつもバランさんに頼ってばかりはよくないので」
マリアは薬草図鑑をぱらぱらとめくりノーム草を探し始めた。
真剣な顔で図鑑とにらめっこしているマリア。
俺はそんな様子をただ横から眺めているだけだ。
『あんた要らないんじゃない?』
エクスカリバーの声がした。
悔しいがその通りだ。
「あっ、もしかしてこれじゃないですかっ」
マリアが声を上げる。
俺が駆け寄るとマリアの足元に見たこともない先端が螺旋状にぐるぐると丸まった草が生えていた。
マリアはその草と図鑑を交互に見比べ、
「これ、ノーム草だと思うんですけど……どう思いますか? バランさん」
訊いてくる。
俺はマリアの肩越しに図鑑に目をやった。
確かによく似ている。
「ああ、多分これで間違いないんじゃないかな」
「そうですよね。やりましたよ、バランさん。ノーム草みつけましたっ」
マリアは嬉しそうに俺にハイタッチしてきた。
『この子、初めて会った時よりだいぶ明るくなったわね』
そうか? こんなもんじゃなかったか?
『あんたバカな上に鈍いって最悪じゃないの』
マリアはノーム草を摘みとると自分のバッグへしまう。
「じゃあ次はマジウム鉱石ですね」
「もしかして鉱石図鑑も持ってきてるんじゃないだろうな」
「え? やだバランさん、そんなの持ってませんてばっ」
けらけら笑いつつ俺の腕を叩く。
うーん……そう言われるとちょっとテンションが高い気もする。
マジウム鉱石はガイタホ郡のウラル山にあるとギルドの受付の女性が言っていた。
「ここからだと結構遠いな」
俺がスカイマントで山を突っ切って飛べばすぐなのだが。
「大丈夫ですよ。わたしまだまだ全然歩けますから」
マリアは元気いっぱいというアピールをしてみせるが、いやいや俺の体力の方が心配なんだよ。
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