第60話 報酬の行方
俺とマリアはギルドに報酬をもらいに来ていたのだがおじさんもなぜかギルドにいる。
「おれはこれからどこに住んだらいいんだぁぁ~っ」
洋館に勝手に住んでいたことがギルドにバレ、持ち主に通報されたおじさんは恨みがましく俺とマリアに聞こえるように嘆いた。
「バラン団のバラン様、こちらが今回の報酬の金貨二十枚になります」
受付の女性が金貨を渡してくる。が、
「あれ、この依頼って報酬は金貨三十枚じゃなかったでしたっけ?」
「そうなのですが実はバラン様が壊した洋館の修理代金として金貨十枚をオーナー様に請求されまして差し引き金貨二十枚となってしまいました。申し訳ございません」
深く頭を下げる女性。
「ああ、そうだったんですか」
窓は俺じゃなくてデュラハンが壊したんだけどな……。
まあ金貨二十枚でももらえるだけいいか。マリアとわけて金貨十枚ずつだ。
俺は金貨二十枚の入った布袋を受け取った。
すると、
「あの、バランさん……わたしのわがまま聞いてもらってもいいですか?」
マリアが深刻そうな顔で物申す。
「なんだ?」
「実は報酬のことなんですけれど……私の分はあのおじさんにあげてもいいでしょうか? わたしに付き合ってもらったバランさんには申し訳ないんですけれど」
マリアはギルドの冒険者たちに聞こえるように嘆き悲しんでいるおじさんをみつめながら言った。
「マリアはそれでいいのか?」
「はい。バランさんがよければ……」
「そっか……だったらこれごと渡してこいよ」
俺は二十枚の金貨が入った布袋をマリアに差し出す。
「え? でもこれはバランさんの分も――」
「いいから。でもその代わりもう一回くらい依頼に付き合ってくれよな」
「バランさん……」
「ほら、俺の気が変わらないうちにあのおじさんに持っていきな」
「はいっ」
マリアは嬉しそうに布袋を両手で持つとおじさんのもとへと駆けていった。
その数秒後おじさんは天にも昇らんばかりの勢いで跳び上がって喜びを表現するのだった。
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