第42話 冒険者の仕事
俺は今までガゼフさんとリエルにまったく生活費を渡していなかった。
それをよりによってガジュウに指摘されて気付かされたのだ。
だから俺はお金を稼がないといけないのだが……。
『お金ってどうやって稼ぐわけ? あんた鍛冶職人だしなんか適当な装備品でも作って売るとか?』
「そうしたくても材料がもうないんだよ」
残っていた材料はテレポートリングを作る時にすべて使い果たしてしまったからな。
材料や部品を揃えるにはもちろんお金が必要だが今の俺の所持金はゼロだ。
『じゃあどうすんの?』
「……」
あまり目立つことはしたくないのだが背に腹は代えられない。
「……冒険者の仕事をする」
『それって冒険者ギルドで依頼を受けたりダンジョンに潜ったりするってこと?』
「剣のくせによく知ってるな。まあそんなとこだ」
この辺りにギルドがあるのかどうかまずは調べてみないといけないが。
そこで俺はガゼフさんに話を訊いてみた。
するとさすが元村長、ガゼフさんはギルドの場所を知っていた。
「ここから一番近い冒険者ギルドというとジアスコ郡という地域にあるカジカ村の冒険者ギルドでしょうかのう」
「カジカ村?」
「ええ、村と言ってもこことは比べ物にならんほど広くてナウい村ですじゃ。村長時代に何度か会合で出向いたことがあるのですが田舎の割には新しい施設などもぎょうさんありましたわい」
「へー、そうですか」
俺はガゼフさんの情報を頼りにそのカジカ村とやらに向かうことにした。
ガゼフさんが徒歩で半日ほどかかる距離にカジカ村はあるらしいので俺が最短ルートで空を飛んでいけば数十分で着けるだろう。
善は急げだ。
俺はガゼフさんにお礼を言うと早速カジカ村へと飛び立った。
☆ ☆ ☆
山を一つ二つと越えジアスコ郡へと入った。
空から見る地上の景色はバラン村周辺とあまり大差ない。
「この辺りのはずだけど……」
ガゼフさんに聞いていたカジカ村の場所は確かこの辺りのはず。
俺は目を凝らしてくまなく探した。
するとさらに少し進んだところに大きな村を発見した。
「おっ、多分あれだな」
俺は村の少し手前で下り立つと歩いてカジカ村へと向かった。
『なんで下りるのよ。そのままギルドまで飛んでいけばいいじゃないの』
エクスカリバーが話しかけてくる。
「そんなことしたら目立つだろ。ただでさえ俺は世間では勇者パーティーのお荷物だった男として知られてるんだからこれ以上悪目立ちはしたくないんだよ」
ベルーガ国王主催の格闘大会の一件で多少はイメージが回復したかもしれないがまだまだ浸透はしていないだろうからな。
『ふーん、人間って面倒ね』
つまらなそうに言い放つエクスカリバーだった。
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