第31話 エルフたちとの別れ
オークキングを倒した俺はバラン村へと戻った。
指でグーサインを作ってみせると村人とエルフが「おおーっ!」と喝采を上げた。
手と手を取り合い喜び合う村人とエルフたち。
とそこへ、
「バランさんっ」
レオが駆け寄ってきた。
「バランさん、大丈夫でしたか?」
「ああ。オークもオークキングも倒したぞ」
「あ、ありがとうございます! なんてお礼を言ったらいいか……」
「いや、この村を守るためでもあったしお礼なんかいいよ。それよりアナのところへ行ってやれよ」
「は、はいっ」
レオは一礼すると妹のアナのもとへと走っていき二人で抱き合った。
ふぅ~……なんとか守れたな。
俺は村人とエルフたちの笑顔を見ながらみんなの無事をひしひしと実感していた。
☆ ☆ ☆
そして二日後。
怪我をしていたエルフたちは全員すっかりよくなっていた。
エルフの調合する飲み薬が効いたらしい。
オーク退治と村に泊めてもらったお礼にと怪我が治ったエルフたちは村の仕事を進んで買って出てくれた。
男たちが海に漁に出ているこの村にとっては貴重な男手だ。
村の中のまだ使っていない土地の草をむしり耕し新しい畑も作ってくれた。その際エルフに伝わる秘伝の肥料の作り方も教えてくれた。
動物の言葉がわかるエルフによって家畜たちの体調管理も万全になりそのおかげで卵やミルクのとれる量も格段に増えた。
そしてさらに三日が経った。
「いやあ、レオたちのおかげで村の人たちの生活も前より楽になったよ」
「お役に立ててよかったです」
レオは村の入り口に立つと俺を振り返り見た。
「本当にもう行くのか?」
「はい。今までお世話になりました」
レオたちは村のあった場所に戻るという。
既にアナたち他のエルフは一足早くバラン村を旅立っている。
「早く村の再建を始めて元の生活に戻りたいと思います」
「そうか。頑張れよ」
「はい。本当にありがとうございました」
そう言うと村を出ていくレオ。
レオは姿が見えなくなるまでこっちを見て手を振り続けていた。
「エルフさんたち行っちゃいましたね」
リエルが隣で口を開く。
「ああ、そうだな」
「また会えるといいですね」
「ああ」
人間よりずっと寿命の長いエルフは別れがつらくなるから人間と距離を置いているとレオとアナは言っていた。
確かにそうかもな。
たった一週間程度一緒に暮らしていただけなのに俺は心にぽっかり穴が開いたような気がするのだから。
でもレオたちとはまた会える。
理由はないがそんな気がする。
「うん……きっと会えるさ」
【作者からのお願い】
「面白いかも」と思った方は、
広告の下にある☆☆☆☆☆からの評価や、ブクマへの登録をお願いいたします!
皆様が思っている何百倍も執筆の励みになりますので、何卒お願いいたします!!




