表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
21/76

第21話 閉会式

「それでは優勝したバラン選手にはベルーガ国王から直々に優勝賞金の授与を行います! ベルーガ国王、リングにお上がりください!」


「おおーっ!」

「国王様ー!」

「ベルーガ国王!」


ベルーガ国王がリングに上がると観客席から割れんばかりの歓声が巻き起こる。

やっぱりベルーガ国王は国民から慕われているなぁ。俺とは大違いだ。


「ベルーガ国王、賞金をどうぞ」


司会を務めるキスギさんがベルーガ国王に優勝賞金を手渡そうとするがベルーガ国王はそれを受け取らないまま俺に向かってきた。


そして、


っ!?


ベルーガ国王が俺に向かって深々と頭を下げた。


「なんだっ? どういうことだ?」

「なんで国王がバランにっ?」

「何してるのかしら、ベルーガ国王?」


観客たちがざわめく。


「……バランよ、わしの息子セフィーロがお前にしたことを謝罪したい。悪かった、この通りだ」

威厳のある声でベルーガ国王が口にする。


「先日セフィーロたちがダンジョンで深手を負って戻ってきた。わしはお前がいてくれていたらそんなことにはならなかったんじゃないかと思っている」

「……いや、そんなことはないですよ」

昔は幼なじみということでタメ口で話していた時期もあったが今はそういうわけにはいかない。

俺は敬語で返す。


ベルーガ国王は顔を上げ俺を見て、

「セフィーロたちには正式に謝罪させる。あいつらにはお前が必要なのだ、紅の旅団に戻ってくれないか」

「セフィーロたちに言われたことは事実ですから謝ってもらう必要はないですよ」

「いいや、断じて事実などではないっ」

首を振る。


「わしがお前をセフィーロの仲間にしたのはお前の鍛冶職人としてのスキルを買っていたからだ」

「……そ、それは本当ですか? 俺がベルーガ国王の幼なじみだからじゃなくてですか……?」

「やはり今までそう思っておったのか」

「……はい」


「バランよ、頼む。バカ息子どもを見捨てないでやってくれ」

ベルーガ国王は再度頭を下げた。


「……」


『勝手なこと言うわね、この白髪ひげのおっさん』

エクスカリバー、お前は黙っててくれ。

『あんたを追放した奴の父親でしょ。まさか戻ったりしないわよね、あんた』

……わかってるさ。


俺は答えに詰まる。

正直俺を追い出したセフィーロたちのことは今でも時折気になっていたからだ。



……しかし、

「……すいません、ベルーガ国王。その言葉は嬉しいですけど、俺には新しい居場所があるので」


「……ふむ、そうなのか……残念だ。だが、仕方ないな」

そう言うとベルーガ国王はキスギさんから賞金を受け取り俺に渡してくれる。


「優勝おめでとうバラン」

「ありがとうございます」

俺とベルーガ国王は固く握手を交わした。


「え、えーこれにてベルーガ国王主催の格闘大会を閉会したいと思います! 皆さん最後までお付き合いいただきありがとうございました!」


「おおおーっ!」

「バランよくやったぞー!」

「おっさん、やるじゃねぇか!」

大歓声とともに拍手が起こる。


そんな大歓声の中ベルーガ国王が子どものように破顔した。


「おい、バラン。たまには城に顔を出せよな。昔みたいに語り合おうぜ」

「……そうだな、気が向いたらな」


俺たちは昔の口調で別れの挨拶を済ますとお互いに別方向に向かってリングを下りたのだった。

【作者からのお願い】


「面白いかも」と思った方は、

広告の下にある☆☆☆☆☆からの評価や、ブクマへの登録をお願いいたします!


皆様が思っている何百倍も執筆の励みになりますので、何卒お願いいたします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ