㉔ 太陽のせいにして
「あのう…ちょっとよろしいですか?」
「おお、昭和の伯爵殿。早速ご意見かな?」
手を挙げたサン・ジェルマンに、議長が気がついた。
「その地球温暖化とやらは、本当にニンゲンの環境破壊が、原因なのでしょうか?」
「…と、言うと?」
「ニンゲンのやる事に、それ程の影響力が有るとは、ニワカには信じ難いのです…。」
「…続けなさい。」
「ソレは…太陽のせいではありませんか?」
とたんに、その場に居た、11名のサン・ジェルマンの同位体たちが、ザワザワし始めた。
「おい、コヤツも言い始めたぞ。」
「今までも、メンバーの何名かは、そんな事を…。」
「…やはり、太陽なのか?」
「静粛に!」
議長が皆に呼び掛けた。
「昭和の伯爵殿、何故そう思うのかな?」
「申し訳ない。理由は有りません。ただのカンです。でも、地球の産業活動は止められなくても、太陽が相手なら、我々で何とか出来るのではないですか?」
「そうだな。何しろ、我がサン・ジェルマンズに、不可能な事は無いからな。」
そう呟いたのは、昭和の伯爵の、左隣のサン・ジェルマンだった。
彼はブルーのNASAのツナギを着ていた。
「もしやキミは…"正和"のサン・ジェルマンかい?」
「おお、そうだよ。久しぶりだな。」
「そうか。キミはここでは、私のセンパイという訳だ。」
「そうだな。まあ、少しだけ…だがな?因みにオレも、指は5本しか無いぞ。」
「NASAに所属しているなら、イロイロと情報も集め易いだろう?」
「…まあな。」
「これ、そこの二人。発言は挙手をして、ハッキリと申しなさい。」
不規則発言を、議長から咎められる。
そこで正和の彼が手を挙げた。
「うむ。それでは正和殿。」
「皆様に申し上げます。NASA所属の、私の立場から言わせていただくなら、ただ今の彼の発言は、あながち的外れなモノでは有りません。そして我々は皆、不老不死のタイムトラベラーで、天才物理学者で、発明家であります。我々のチカラを結集して、太陽の活動を一時的にでも、少しばかり弱める事は、可能かと思われます。」
「…他に意見の有る者は居るかな?」
議長が訊いたが、誰も反論しなかった。
「では、太陽の活動に干渉する案に賛成の者は挙手を!」
すると、その場に居た12名のサン・ジェルマンが、全て手を挙げた。
「この案を、全会一致で可決とする。それでは、正和のキミが、具体策を練るように。本日の会議は、これにて解散とする。なお、次回の予定は…。」




