53/54
8-0 本章の目的
本章の目的は、
鹿目まどかに生じた神化現象を、
人格の変質や象徴的な昇華として解釈するのではなく、
魔法少女システムにおける
構造的な処理結果として整理することにある。
これまでの章で示した通り、
魔法少女システムは、
世界状態の変化を前提とした内部処理によって
運用されている。
能力拡張および世界状態の再配置は、
いずれも既存の状態空間の内部で成立する操作であり、
その範囲内においては
一貫した挙動を示してきた。
しかし、
鹿目まどかの願いは、
特定の世界状態を変更するものではなく、
世界状態が変化する前提そのものに作用している。
この性質により、
従来の能力拡張や再配置といった
内部処理では対応できない状況が発生する。
本章では、
この処理不能状態がどのように生じ、
システムがそれをどのように扱ったのかを、
構造の観点から明らかにする。
その上で、
神化現象を
能力の極大化や例外的奇跡としてではなく、
内部処理の限界に対する
一つの帰結として位置づける。
以上を通じて、
神化という現象を
魔法少女システムの外部へ移行した
構造的状態として整理し、
次章以降の解析における前提とする。




