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4-3. OS崩壊と人格情報の断片化
ソウルジェム内部の呪いのエネルギー蓄積が臨界点を越えると、
制御システムとして機能していたOSは維持できなくなる。
この段階で発生するのは、単なる機能低下ではない。
ソウルジェムが保持していた「統合された人格構造」そのものが崩壊する。
具体的には、以下の現象が同時に進行する。
・行動制御を司る制御系の停止
・人格情報の統合保持の失敗
・判断・抑制・自己認識機能の消失
人格情報は完全に消滅するわけではないが、
統合された主体として機能することができなくなる。
その結果、反応は断片化し、状況に対する意味づけや目的意識を失う。
この状態においては、
魔法少女としての「個体」は成立しない。
存在しているのは、人格情報の残骸と、
制御を失ったエネルギー反応のみである。
重要なのは、
この過程が感情の善悪や精神的弱さによって
発生するものではない点である。
あくまで、
有限容量を持つシステムが、
許容量を超えたエネルギーを蓄積した結果として、
構造的に発生する破綻である。
本章では、
この時点ではまだグリーフシードという名称や
エネルギー移動の性質については扱わない。
それらは、
ソウルジェムが次の状態へ遷移した後の性質であり、
次章以降で整理する。




