表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/61

42話 やっぱり幼なじみ

(^ω^)


 …………話変えよ。


「なあ弓梨、俺なんかデザートが食べたい気分なんだが……」


「なんで遅かったの?」


「……弓梨、一緒にテレビ観るか。面白そうなバラエティ番組がーー」


「なんで遅かったの?」


「…………弓梨、一緒にお風呂ーー」


「……なんで遅かったの」


「弓梨、お前のおっぱいを揉ませてくれないか。前ネットでおっぱい揉むと幸せになれるってーー」


「なんで遅かったの!!!!」


「ひゃいん!」


 骨さえも簡単に切れる日本刀のように鋭い声で、間抜けな犬のような鳴き声が腹から出る。それはフリでも演技でも無く、100%怯えから発生した声だった。


「さっきから何回も聞いてるじゃん! なんで帰ってくるの遅かったかって!」


「いや、それはだな……」


「すぐ答えられないのが怪しい!」


 弓梨が机をバシンと叩く。机からミシミシっという異様な音が出ていたのは気のせいだろうか。気のせいにしておこう。


「やましいことなんて何もないって! ほら、えーと………………」


 こういう時何て言えばいいの!? 買い物? ダメだ、俺帰ってきた時何も持ってねえ! あ、じゃあ新しく出来た友達と遊んだって言えばーー



 …………俺友達居ねえわ!! 柊も仕事ってことで一緒になったわけだし……うん! 俺友達居ねえわ!! 妖怪ぼっちだわ!


 ……いや待てよ。俺にも唯一居るじゃないか。友達と呼べるか分からないが友達の奴がーー!


「ああそうそう! 今日眞城也と遊んだんだよ俺! なんか色んな奴とどっか行くとか言っててさ! 無理やり俺もついていかされたんだよ!」


「嘘」


 弓梨が軽く俺のことを睨む。この睨みは少しだけ可愛さがあってまだいい。


「本当だよ。長く遊びすぎてもうこんなに汗かいちゃってさ」


 と言いながら、制服の胸ぐらの辺りを持ってパタパタとする。

 まあこれさっきの弓梨にビビりすぎて出た冷や汗なんだけどね。


「……そう。本当なんだね。疑っちゃってごめん、月夜」


「お、おう……」


 騙してるみたいで心がものすごく痛い……だが、ここで本音を漏らしたら終わりなのだ。俺のスーパードリームだった作家というジョブが、解約されてしまう。そのためなら、俺は緊急回避だってするし、初期防具で大型モンスターに挑める。


「でも、それっぽい態度とる月夜も悪い」


「それは悪かったよ。……にしたってお前、なんで遅かったか、そこまで知りたかったのか? 別にめちゃくちゃ遅かったってわけでもないだろ?」


 そう訊ねると、弓梨は不安そうな顔を浮かべた。


「だって、月夜が何も言わずにどっか行くことなんて無いから……どうしたのかなって」


「…………ぷっ」


 失礼だと思いつつも、思わず吹き出してしまった。


「……? どうしたの?」


「いや、なんでも。ありがとな弓梨」


 俺のことを心配してくれて。


「うん?」


 言葉の意味がわからず、疑問形の返事をする弓梨だった。


 


(´;ω;`)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ