37話 ピンクのフリフリ
みなさんお久しぶりです。
「よっし、今日は新しいの使っちゃいます!」
弓梨が自分で持ってきたのか、ピンクの生地が主の、白いフリフリがたくさんついているエプロンを、手馴れた手つきで着始める。
「……新しいの買ったのか」
俺はファッションセンスなど皆無、いや、もはやマイナスと言っていいほどであるが、弓梨が前回俺の家に来た時は違うエプロンをつけていた。
確かめちゃくちゃ明るい黄色のエプロンだったような気が……。
「あー、あれ昔から使ってるから胸の辺りがきつくなっちゃって。だから新しいの買ったんだ〜」
なるほど。その元〇玉が原因だったのか。
「いつか地球を破壊できるくらいになるかもな……」
「え?」
「いや、こっちの話だ。にしてもそれ、お前のイメージぴったりのエプロンだな。ピンクといいフリフリといい」
「そうかな?」
弓梨がフリフリを触ったり、じっくり見たりする。
「おう。似合ってるぞ」
「えへへ〜。ありがとう」
嬉しそうにはにかみ、少し頬を赤く染める弓梨。その恥ずかしいそうな顔+エプロン姿は、眞城也が見たら発狂しそうなほどの可憐さだ。そこら辺のアイドルは軽く超える。
「今度その格好、眞城也に見せてやれ。うれ死するぞアイツ」
「ふふっ、大げさだよ月夜ー。……あ、でも前に眞城也君、私のエプロン姿見たいって言ってたかも」
顎に指を当て、思い出すかのように呟く弓梨。
「思いっきり求めてんじゃねえか……アイツも懲りねえな」
「なんか裸でエプロン付けて欲しいとか言われちゃって。最初本気かと思っちゃったよ。眞城也君すごい冗談言うんだね」
弓梨さん。すまないが、あのバカは恐らくガチで言っている。ていうか100%ガチだ。それ以外考えられない。
「ったく……バカにもほどがあんだろ」
よくもまぁ平然とそんなこと言えるよな。俺だったら言ってる途中で恥ずかしくなって、まるで磁石に引き付けられるかの如く一瞬で家に走るだろう。
眞城也、お前やっぱり凄いわ。俺今日からお前目標にして生きていくことにする。
「まあまあ、なんだかんだで月夜もお世話になってるんだから」
「……そうだな」
確かに眞城也には世話になった。作家になるにあたって悩みを聞いてくれたし、俺がコミュ障だからってグループに入れてくれたり……。
そしてその悩みを全て学校の奴らに話したり、グループに入れといて俺のお気に入りのエロ動画を堂々と発表したり……。
……あれ? 結果的に俺アイツのいいおもちゃになってね? ってか完全になってるよね?
全然お世話になってねえ……。
「月夜、なんか顔が無表情になってるよ? どうかしたの?」
「なんでもないお」
「……? そっか、じゃあ私ご飯作ってくるから、座って待っててね」
「……お?」と弓梨は不思議そうにボソボソと言いながら、台所へ向かっていった。




