35話 兄にそっくりなみたいです
旅行行ってる時に台風で携帯飛ばされました(ニッコリ)
そして数分後、空腹の中リビングでやり忘れていたゲームのイベント回収のことなどを考えていた時……。
「ただいま〜」
玄関のドアをガチャリと開く音と共に、美月の少し疲労感の積もった声が聞こえる。
「おっ、帰ってきたか」
美月がいかにも重そうなスーパーの袋を、2つ両手で持ち、「ふぬぬ〜」と気張り、声を漏らしながらこちらへやってくる。
「随分と多く買ってきたんだな……」
「だって冷蔵庫ホント何も無かったし、買いだめしといた方がいいかなって思ったからさ」
ま、たくさん買ってくれて損はしないからいいか。お金は親が置いてったし、なにせ俺は作家という[職業]を現在進行形でやってるしな。正直なところ、どれくらい稼いでるのか分からないけど。
「どれどれ」
キッチンに置かれたスーパーの袋をガサゴソと漁り、中身を適当に取り出す。
「魚、肉、野菜……一通り全部買ってきたって感じだな……」
「うん。何買えばいいか分かんなかったし、適当に色々買ってきた」
「そうか」と1つ目の肉やら魚やらの料理に必要な物が入った袋を、丸めて近くにある引き出しへ。
スーパーの袋やコンビニの袋は、様々なことに使える。そのため俺の家では捨てずにとっておくのだ。いわゆるリユースである。
「それはいいとして……」
もう1つの大きいペットボトルが数本と、細かい何かが多数入っている袋を見る。
「これは何だ?」
「えーっと、それは……」
はぐらかす様に美月が視線をそらす。それを見て、俺は問答無用で中身を取り出し始めた。
「メロンソーダに……なんだコレ。コーヒーソーダ? ……絶対まずいだろ。それにせんべいにクッキー、グミまで……」
美月をジロリと睨みつけると、美月はまるで言い訳をするかのように、慌てて話し始めた。
「そ、そのコーヒーソーダはお兄ちゃんに買ってきたんだよ! お兄ちゃんそういうの好きそうだから、これも美味しく飲んでくれるかなぁって思って……」
「こんなん好きなわけねえだろ! 絶対まずいってコレ! 1.5Lとか誰得だよ!」
「お兄ちゃん得?」
なんとか空気に乗ろうと、妹が首をかしげてそれっぽく言う。
「別に乗って欲しいわけじゃねえよ……たっく、菓子もこんな買いやがって。こんな量食わねえだろ」
「そこらへんは安心してください! このくらい、1週間もあれば余裕です!」
まるで想定内かのように答える美月。
「いや無理だろ……毎日食わないと不可能なレベルだぞ……」
「毎日食べるもん」
「お前って奴は……」
そんなに食ったら太るぞと言いたいところだが……コイツは太らない体質の上に運動をしてるから言えん。
昔から美月はよく有り得ないというほどに食べるが、見た目的に変わったことが1度も無い。その上リア充がよく居る部活、テニス部で練習を熱心に頑張っているため、運動不足とかも無いのだ。
だが、しかし……。
「やっぱり毎日食べるなんて体に悪すぎる。これは没収な」
「ええー!」
美月が心底悲しがると、弓梨は少し微笑んで、
「そこまでしなくたっていいんじゃない? 食べる量を決めてあげれば大丈夫だと思うよ」
「いいやダメだ。コイツは甘やかすとすぐに調子乗るからな。俺にそっくりだ」
「確かに月夜もそうだね」




