始原の魔核
「……おい」
「なに~?」
エフィの動きがやたらすり寄って来るものに変わったのを察したクレスが、不機嫌そうな声を上げる。
「俺が来るように仕向けたってことは、何か用事があるんだろ。『骨食み羊』でも潰せば良いのか?」
「……はぁ。ちゃうちゃう、アレくらいやったらサヤちゃん等でどうにでもできる」
物憂げな溜息を吐いた後、切り替えるようにエフィは否定する。
「……クレスを呼ぶのだけが目的やったって言うたら、信じる?」
「アンタらしくはないと思う」
「そ、か。……まあ、用事かて無いことも無いねんけど」
懐から取り出したのは、彼女自身の羽のように白い宝玉。
「今回の一件と直接の関係があるブツちゃうけどな。遺跡の調査してて見つかったもんや。ちょっと魔力測ってみ?」
「おう。…………、っ!?」
手渡された宝玉に魔力感知を試みて、クレスは絶句する。
「……これは?」
「やっぱクレスでもそういう反応になるかー。それはタダの魔力の塊。何のロックも掛かってへん。……クレスには、それを預かってもらいたいんやけど」
「下手に手ぇ出したら酷い事になるのは見えてるからな。だが、良いのか?」
「万全を期すなら、クレスに預けるのが一番確実やと思う。それにどうせメリー商会の技術も及ばんやろうしな」
「そうか。…………」
「ん、どうしたん?」
何かを迷っている様子のクレスに首を傾げるエフィ。
「その……前使っていた水晶はダメにしちまって、今は新しいのを使ってるんだが……また、登録しても良いか?」
「!」
エフィは返事もせずに二階へ飛び上がると、勢いよくドアを閉める。
なにか向こうでバタバタする気配だけ伝わってくると、クレスが我に返るより早くエフィが飛び出してきた。
最短距離を全速力で飛んでクレスの元に戻ると、勢いよく水晶を差し出す。
やがて、黄色く点滅した水晶が登録の完了を知らせた。
貰った宝石、結構ヤバい代物です。。
クレスの魔力感知の上限超えた時点で、クリニエル山脈にトンネルぶち抜けるくらいの魔力は秘めてます。。




