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レガリア英雄記  作者: 27サグマル
邂逅~「蒼神」再起~
62/213

路地裏の悪魔

 朝食を終え、一行はひとまず宿の外に出た。

 何かしらの連絡があったらしく、マリスが懐から水晶を取り出す。

「はい、もしもしー。ラフィ子? ……あ、その件ね」

「仕事か?」

「ちょっと待ってねー。……や、弟子が泣きついてきただけだよ。サイファーも面倒見てくれてるから心配ないね」

「長くなるなら、俺は少し別行動で調べ物をしてたいんだが……」

 それを聞いたマリスは少し考える様子を見せる。

「う~ん……まあ、良いか。じゃあ一応、話が付いたらこっちから連絡するよ」

「分かった。あ、皆は一応マリスと一緒に居てくれるか? この面子が揃ってれば何かあっても安心だろうし」

 皆が頷くのを確認すると、クレスは資料館へ向かっていった。


「……うん。じゃあ、頑張って~」

 そう言うとマリスは一度連絡を切り、クレスに繋ぎ直す。

「こっちは終わったよー。これからどうする?」

『そうか。昼をこっちで食ったら出発するつもりだから、二時間後に適当な店の前で合流しよう。どの店にするか、暇ならそっちで決めてくれるとありがたい』

「分かった。また後でね」

 連絡を切るマリス。

「そういうことだから、良さそうなお店を探しに行こうか」

「分かりました」

「(コクリ)」

「了解れす~」


「……ん?」

 ある路地裏を通っていたマリスは、向こうから歩いてきた男とぶつかりそうになって身を躱した。

 男がやや不自然な動きで、それでもこちらにぶつかってこようとするので再び避ける。

 不審に思ってその顔を見ると、赤いツンツン髪の男に不機嫌そうな表情で睨み返された。

「あ゛? なにガンくれてんだよ、テメェ!」

「え?」

 呆気にとられるマリスの前で、男の後ろから出てきた小男が怒鳴りだす。

「やいやい、この方をどなたと心得る! 路地裏の悪魔と悪名高い、ギム様でやんす!」

 ……。

 やいやい、この方をどなたと心得る! 自由騎士は「凛騎士」にしてSSS「蒼月」と名高いマリス様だ!

 そんな世迷言を思いついたティルナだが、すぐ脳内のゴミ箱に放り込む。

 いや、それよりも。

『またお前?』

「なんだ巫山戯やがっ……て……」

 氷文字を見たギムはティルナに視線を移すと、僅かに内股気味になって後ずさる。

 が、すぐに弱気を振り払うよう声を張り上げた。

「ええい喧しい! 痛い目見たくなきゃ有り金あるだけ差し出しなァっ!」

「……遂にツケの誤魔化しが効かなくなって、逃げて来たんでやんす」

「テメェは黙ってろ!」

「ぎゃんす~!」

 無造作に振り払われた腕の直撃を受け、子分の一人は路地の向こうまで飛んでいった。

 膂力も含めて相変わらずなのが窺える。


「なに、知り合い?」

「冗談じゃない」

「じゃあ、いっか――」

 何かをしようとしたマリスだが、ギムらとの間に割り込んできた影があった。

 称号が変わったギムですが、その分強くなってるのは確かです。一応……

 

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