「天原淘汰」
「無茶、です! 今の私が抑え、ている焔は……あちらを、撃ち抜いたものと、同じくらいの力、が……!」
「それがどうした」
「なッ……!」
クレインの即答に絶句するクレス。
その傍から少し距離を取り、マリスが弓を構える。
「今から撃つ。それに合わせて、思いっきりぶつけて」
「だから――!」
「『限定凶化』」
「『穢征域』」
クレスが反論する間もなくエレンの手足に膨大な魔力が集まり、周囲の空気が霊魂に満たされ魔界の如き様相を呈する。
まるで古龍でも討つような予備動作が展開される。
ここでクレスが何もしなければ、彼女らは互いの魔法で斃れてもおかしくない状況だった。
「貴女たちは、まったく……!」
クレスが歯軋りする中、まずマリスの詠唱が始まった。
「今、誓いの下に乞い願う――」
矢は番えない。
手持ちの矢が耐えられる程度の力で、クレスを助けることはできない。
「野獣の、狩人の力を」
弓を引き絞る。
純粋な魔力で矢を形成し、そこに自らの全魔力を注ぎ込んでいく。
「大いなる森の、月の加護を」
狭まり暗くなる視界の中、クレスの姿だけは気力を振り絞って捉え続ける。
矢の帯びた魔力が空間を歪ませ、淡い輝きと火花を放ちだす。
「さあ、今こそ終幕の時。仇為す全てに怨を返そう」
矢を制御していた魔力も推力に変換する。
解き放つ――!
「『天原淘汰』ッッッ!!」
まるでラスボス戦w




