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第八十四話 胃痛の原因

祝勝会翌日の竜のしっぽ亭。


ガロンの執務室。


ガロン

「なんだこれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」


絶叫が施設中に響いた。


恒一

「朝からうるせぇな……」


恒一ガロンの叫び声を聞いて執務室の扉を開ける。


恒一

「おい。ガロンどうしたんだよ?」


部屋の机の上には大量に積み上げられた紙があった。


請求書の山。


見積書の山。


契約書の山。


納品書の山


ガロン

「終わった……」


恒一

「何がだよ?」


ガロン

「人生...」


恒一

「重いな」


ガロンは震える手で一枚の紙を差し出した。


恒一

「ん?」


そこには。


香辛料緊急仕入れ


大金貨1枚

金貨2枚


恒一

「はぁぁぁぁぁ!?」

(スパイスで約百二十万の仕入れって....)


ガロン

「頭おかしいだろ!?」


次。


酒類追加仕入れ。


大金貨2枚。


次。


肉類追加仕入れ。


大金貨1枚。


次。


イベントホール運営費。


大金貨1枚。


恒一

「やばくね?」


ガロン

「やばい...」


恒一

「払えるのか?」


ガロン

「払えねぇよ....」


恒一

「...だよな」


ガロン

「払えねぇぞぉぉぉぉ!!」


その時、聞き慣れた声が響いた。


バルド

「おはようございます」


ガロン

「帰れぇぇぇぇぇ!!!」


バルド

「酷い!!」


ミリア

「朝から元気ね〜」


恒一

「元凶が来たぞ」


バルドは請求書を見る。


そして当然のように言った。


バルド

「あぁ、請求書ですか。問題ありません」


ガロン

「は?」


バルド

「請求先を見てください」


ガロン

「ん?」


請求先:クロムウェル商会。


ガロン

「……」


恒一

「……」


ガロン

「全部商会持ちかよ!!」


バルド

「投資ですので」


ガロン

「投資で済ますな!!」


ミリア

「儲かったんでしょ?」


バルド

「もちろん儲かりましたよ」


そう言って一枚の書類を取り出す。


昨日の売上報告。


祝勝会会場利用料

白金貨1枚

大金貨5枚


ガロン

「は?」


恒一

「は?」

(約一千五百万円!?一晩で!?)


ガロン

「一晩だぞ!?」


バルド

「一晩ですね」


さらに。


宿泊予約。

白金貨2枚相当。


イベント利用予約。

白金貨1枚相当。


カレーライス関連契約。

大金貨8枚相当。


ガロン

「……」


恒一

「……」


ガロン

「頭おかしいだろ」


ミリア

「儲かってるからいいじゃない」


ガロン

「そういう問題じゃねぇ!!」


バルド

「さらに朗報があります!」


恒一とガロンは嫌な予感がした。


バルド

「カレーライスですが」


恒一

「おう」


バルド

「王都全域で販売希望が来ています!」


恒一

「....広まるの早ぇな」


バルド

「現在二百三十七件」


恒一

「は?」


ガロン

「は?」


バルド

「王都限定販売でも白金貨数枚規模の事業になります」


恒一

「カレー怖ぇ」


ガロン

「お前も怖ぇよ」


ミリア

「最高じゃない!楽しそうね!!」


親子だけが目を輝かせていた。


その時店員が飛び込んでくる。


店員

「会頭!!」


バルド

「どうしました?」


店員

「レヴナントぬいぐるみ第三弾も完売しました!!」


恒一

「あいつどんだけ売れてんだよ」


店員

「今月だけで一万個突破です!」


恒一

「話したら絶対調子に乗るな...」


バルド

「第四弾を作りましょう」


恒一

「やめろ!」


ミリア

「等身大?」


恒一

「ふざけんな!もっとやめろ!!」


店員

「ちなみに会頭」


バルド

「はい。なんでしょう?」


店員

「レヴナント抱き枕の企画案も上がっています」


恒一

「却下だ」


ミリア

「フェルドとセットで欲しいわね」


恒一

「お前欲しいのかよ!?」


バルド

「採用!ミリアちゃんの分を最優先で今すぐ量産しなさい」


恒一

「採用するな!!」


ガロン

「お前らもう出てけぇぇ!!」


新生竜のしっぽ亭。


開業一ヶ月。


売上は絶好調。


そしてガロンの胃痛だけが順調に悪化していた。


ガロン

「胃薬も商会に請求してやる....」


バルド

「あ、ガロンさん胃痛の原因はお酒の飲み過ぎかと」

「ですから胃薬代はご自身でお願いしますね」


ガロン

「ちくしょうぉぉぉぉぉお!忙しくて呑めてねぇよ!!」


――第八十四話 終――

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