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第七十九話 激突

丘陵区間。


岩場を抜けた竜達の前に広がるのは緩やかな上り坂だった。


だが、見た目ほど甘くはない。


実況

「丘陵区間突入!!」

「ここからは純粋な持久力勝負です!!」

「体力配分を誤れば最後の直線で失速します!!」


現在順位。


一位 ゼノス・グランヴァルド


二位 ボルグ・アイアンシェル


三位 ミリア・フェルド


四位


そして。


五位 恒一・レヴナント


実況

「恒一レヴナント組!!」

「一気に五位まで浮上!!大健闘です!!」


観客席も盛り上がる。


だが、恒一は喜んでいなかった。


恒一

「まだ遠いな」


レヴ

『遠い』


前方。


ゼノスとボルグ。


その背中はまだ大きい。


先頭。


ゼノスは相変わらず笑っていた。


ゼノス

「最高だな!!」


グランヴァルド

『元気だな』


ゼノス

「楽しいからな!!」


グランヴァルド

『そうか』


その後ろ。


ボルグ。


アイアンシェル。


ボルグ

「……」


アイアンシェル

『来ている』


ボルグ

「ああ」


アイアンシェル

『後ろだ』


ボルグ

「ああ」


二人とも分かっていた。


恒一とレヴナント。


確実に近付いている。


三位。


ミリア。


フェルド。


ミリア

「嫌な予感がするわね」


フェルド

『後ろか?』


ミリア

「あいつよ」


フェルド

『ああ』


後方。


五位に着けた恒一とレヴ。


ミリアは小さく笑う。


ミリア

「来るわね」


フェルド

『来るな』


丘陵区間中盤、上り坂。


ここで動いた。


恒一とレヴだった。


恒一・レヴ

(行くか)『行く』


共鳴。


言葉は不要。


ドォン!!


加速。


実況

「動いたぁぁぁぁ!!」

「恒一・レヴナント組!!ここで仕掛ける!!」


観客席が沸く。


一頭抜く。


四位。


さらに。


前方の竜へ迫る。


相手騎手

「なっ!?」


実況

「速い!!レヴナント速い!!!」


ドォォォン!!


三位。


実況

「三位浮上ぁぁぁ!!」


歓声。


観客席が揺れる。


ミリア

「ついに来たわね」


フェルド

『ああ、来たな』


ついに並ぶ。


フェルド。


レヴ。


二頭の視線が交差する。


レヴ

『どけ』


フェルド

『お前が下がれ』


レヴ

『邪魔だ』


フェルド

『同感だ』


恒一

「お前ら仲良いな」


ミリア

「どこがよ」


二頭は並走する。


抜けない。


抜かせない。


互角。


実況

「三位争い!!」

「ミリア・フェルドか!!」

「恒一・レヴナントか!!」

「激しい!!」

「お互い一歩も譲らない!!!」


丘陵区間終盤。


観客席のスクリーンには二頭の姿が大写しになっていた。


その時、前方のボルグが動く。


ドォン!!


実況

「おっとぉぉぉ!!ボルグだ!!」

「ここで先頭へ並んだぁぁぁ!!」


ゼノス

「来たか!!」


ボルグ

「行く」


アイアンシェル

『ああ』


ついに、一位争いが始まる。


恒一はそれを見る。


恒一

「遠いな」


レヴ

『ああ遠いな』


だが、不思議と焦りはなかった。


レヴと共鳴している。


まだ終わっていない。


その時。


前方に見えた。


実況

「丘陵区間終了!!残り千メートル!!」

「いよいよ最終区間です!!」


歓声が爆発する。


残り千メートル。


順位。


一位 ボルグ・アイアンシェル


二位 ゼノス・グランヴァルド


三位 ミリア・フェルド


四位 恒一・レヴナント


実況

「さぁ!!王都E級ランキング戦!!」

「最後の勝負が始まります!!」


恒一

「レヴ」


レヴ

『ああ』


恒一

「勝つぞ」


レヴ

『当然だ』


残り千メートル。


王都E級の最強を決める戦いはついに最終局面へ突入した。


――第七十九話 終――

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