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第四十話 相棒

その夜。


流星竜舎。


恒一は眠れなかった。


ベッドへ入っても。


目を閉じても。


頭に浮かぶのは魔力操作ばかり。


恒一

「難しすぎるだろ……」


結局。


諦めて外へ出た。


夜風が涼しい。


竜舎の方を見る。


すると。


大きな影が見えた。


恒一

「レヴ?」


レヴナント

『起きていたか』


恒一

「お前こそ」


レヴナント

『寝れん』


恒一

「俺もだ」


二人は並んで座った。


しばらく沈黙。


静かな夜だった。


レヴナント

『飛びたい』


恒一

「……」


レヴナント

『飛べないままでは』


レヴナント

『D級へ行けん』


恒一は黙って聞いていた。


レヴナント

『アレクシスにも追いつけん』


レヴナント

『シルヴァリオンにもだ』


恒一

「焦ってるのか」


レヴナント

『焦る』


即答だった。


恒一は少し笑う。


恒一

「俺もだ」


レヴナント

『そうか』


恒一

「新人戦勝ったからって」


恒一

「全部上手くいく訳じゃないな」


レヴナント

『そうだな』


しばらく夜空を見上げる。


星が綺麗だった。


レヴナント

『だが』


恒一

「ん?」


レヴナント

『新人戦は勝った』


恒一

「そうだな」


レヴナント

『一人では無理だった』


恒一

「俺もだ」


レヴナント

『お前がいた』


恒一

「お前もいた」


レヴナント

『そうだな』


恒一

「だから大丈夫だろ」


レヴナント

『根拠は?』


恒一

「無い」


レヴナント

『無いのか』


恒一

「でも何とかなる」


レヴナント

『適当だな』


恒一

「今に始まった事じゃない」


レヴナント

『確かに』


珍しく。


レヴナントが笑った気がした。


そして。


レヴナント

『やるか』


恒一

「何を?」


レヴナント

『訓練だ』


恒一

「今から?」


レヴナント

『今からだ』


恒一

「レオンに怒られるぞ」


レヴナント

『バレなければ良い』


恒一

「お前そんなキャラだったか?」


レヴナント

『最近覚えた』


恒一

「誰の影響だよ」


二人は立ち上がる。


手綱を握る。


魔力を流す。


いや。


操ろうとする。


少しだけ。


本当に少しだけ。


昼とは違う感覚があった。


恒一

「今の……」


レヴナント

『分からん』


恒一

「だよな」


その時だった。


背後から声が響く。


レオン

「何をしている」


恒一

「うわっ!?」


レヴナント

『いたぁ!?』


レオンは腕を組んで立っていた。


無表情。


だが。


どこか呆れているようにも見える。


恒一

「いやこれは……」


レオン

「自主練か」


恒一

「はい」


レオン

「そうか」


恒一

「怒らないのか?」


レオン

「続けろ」


恒一

「え?」


レオン

「俺も見る」


レヴナント

『寝てなかったのか』


レオン

「調教師だからな」


夜風が吹く。


流星竜舎の夜はまだ終わらない。


そして。


その夜の訓練が。


後に大きな意味を持つ事になる。


― 第四十話 終 ―

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