28/110
第二十八話 最後方
実況
「さぁ!各竜ゲートに入りました!」
実況の声が競竜場に響き渡る。
一拍間を開けてファンファーレの音が鳴り響く。
次の瞬間、各竜が収まるゲートが同時に開く。
一斉に飛び出す競竜達。
だが。
レヴナント
『しまった!』
恒一
「うおっ!?」
出遅れた。
一瞬。
本当に一瞬。
だが致命的だった。
実況
「スタートしました!」
実況
「シルヴァリオン好スタート!」
実況
「先頭へ立った!」
観客席が沸く。
一方。
レヴナントは最後方。
恒一
「やばい!」
レヴナント
『滑った』
恒一
「今言う!?」
先頭ではシルヴァリオンが悠々と走っている。
アレクシス
「そのままだ」
シルヴァリオン
『分かっている』
ガロン
「終わったか?」
レオン
「いや」
ガロン
「本当か?」
レオン
「まだ慌てる距離じゃない」
恒一は深呼吸した。
焦るな。
焦るな。
前世で何度も見た。
競走はスタートだけじゃない。
レヴナント
『行くか』
恒一
「ああ」
少しずつ。
少しずつ。
順位を上げ始める。
― 第二十八話 終 ―




