第二十話 宣戦布告
翌日。
流星竜舎。
恒一は朝から気合いが入っていた。
恒一
「負けねぇ」
ガロン
「朝からうるさい」
恒一
「負けねぇ」
ガロン
「二回言ったな」
レオン
「黙って訓練しろ」
レヴナント
『同感だ』
恒一
「味方がいない」
だが。
昨日の出来事は全員の心に残っていた。
失敗作。
飛べない竜。
その言葉。
恒一は許せなかった。
訓練開始。
レオン
「今日は模擬走行だ」
恒一
「来た!」
レヴナント
『来たな』
スタート。
走る。
加速する。
曲がる。
飛行補助。
以前より明らかに良い。
レオン
「速いな」
ガロン
「速い」
レヴナント
『当然だ』
恒一
「偉そうだな」
その時だった。
拍手が聞こえる。
アレクシスだった。
シルヴァリオンもいる。
アレクシス
「思ったより走れるな」
恒一
「何だお前」
アレクシス
「見学だ」
ガロン
「帰れ」
アレクシス
「断る」
恒一
「帰れ」
アレクシス
「断る」
レオン
「子供か」
アレクシスはレヴナントを見る。
アレクシス
「だが勝てない」
レヴナント
『そうか』
アレクシス
「悔しくないのか?」
レヴナント
『別に』
アレクシス
「は?」
レヴナント
『勝つからな』
全員が固まった。
恒一
「おお」
ガロン
「言ったな」
レオン
「珍しい」
アレクシスは目を細める。
レヴナント
『お前は強い』
レヴナント
『だが負ける気はない』
シルヴァリオンも前へ出る。
シルヴァリオン
『面白い』
初めてだった。
他の竜がレヴナントへ興味を示したのは。
アレクシス
「なら決まりだ」
アレクシスは笑う。
アレクシス
「新人戦で決着をつけよう」
恒一
「望むところだ」
レヴナント
『望むところだ』
シルヴァリオン
『楽しみにしている』
新人戦まで残り二十一日。
売れ残りの黒竜と異世界人。
そして。
貴族と白銀竜。
物語はついに最初の戦いへ向かい始めた。
― 第二十話 終 ―




