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第十九話 白銀竜と貴族

新人戦まで残り二十二日。


流星竜舎は騒がしかった。


新人戦が近付き。


各地から出走竜が集まり始めていた。


その日も一台の豪華な馬車が竜舎へ到着する。


ガロン

「金持ちだな」


レオン

「嫌な予感しかしない」


馬車の扉が開く。


降りてきたのは金髪の少年だった。


年齢は十八歳ほど。


高価な服。


高価な靴。


高価な態度。


アレクシス

「ここが流星竜舎か」


アレクシス

「思ったより汚いな」


ガロン

「帰れ」


恒一

「早いな」


アレクシスは気にも留めない。


そして後ろから現れた。


巨大な白銀竜。


陽光を反射する美しい鱗。


見るからに強い。


神眼が発動する。


【シルヴァリオン】


速度A


持久力B


飛行適性A


魔力操作A


恒一

(強い……)


レオンも少し驚いていた。


レオン

「新人戦レベルじゃないな」


アレクシス

「当然だ」


アレクシス

「私のシルヴァリオンだからな」


その時だった。


アレクシスの視線が止まる。


レヴナント。


アレクシス

「……まだいたのか」


レヴナントが顔を上げる。


恒一

「知ってるのか?」


アレクシス

「有名だったからな」


アレクシス

「飛べない失敗作として」


空気が変わる。


恒一

「おい」


アレクシス

「市場送りになった黒竜だろう?」


アレクシス

「まだ生きていたとはな」


恒一

「表出ろ」


レオン

「やめろ」


ガロン

「やれ」


レオン

「お前もやめろ」


レヴナントは静かだった。


だが。


その瞳だけが冷たくなっている。


アレクシス

「まあいい」


アレクシス

「新人戦で終わる」


恒一

「何?」


アレクシス

「お前達に現実を教えてやる」


アレクシスは笑う。


シルヴァリオンも翼を広げた。


新人戦最大の本命。


それが目の前にいた。


去り際。


アレクシスが振り返る。


アレクシス

「せいぜい頑張れ」


恒一

「望むところだ」


レヴナント

『落ちるなよ』


恒一

「お前もそれか!」


ガロン

「正論だな」


新人戦まで残り二十二日。


最大のライバルが現れた。


― 第十九話 終 ―

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