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エピソード4 危機
「ふはっはっ。よい顔をする。最強の退魔士が形無しだな!」
声の方に顔を向けると、タキシードを着た骸骨のような妖魔が勝ち誇ったようにこちらを見ていた。長年の経験から、こいつは強敵だと直感した。
やばいか、と退魔士になってから初めて焦るような気持ちが湧いてきた。だけど、最強の退魔士であるトゥサ・E・ゴルジが動揺する姿を見せるわけにはいかない。僕は、余裕を見せつけるように落ち着いた声で言った。
「やれやれ、僕に何をした?」
「ふっ、余裕ぶっていても焦りが伝わってくるようだぞ。お前の退魔術はすべて封印させてもらった!」
「ふーん、そうなのか。聞きたいんだが、それで僕に勝てると思っているのか?」と馬鹿にしたような余裕の口調で言ってみた。でも、もし本当に退魔術を封印されているなら、相当ヤバい。
どうする? …やばい、何も思いつかない。百戦錬磨の僕だけど、退魔術を使わずに戦った経験はない。
「それでは、勝てるかどうか吾輩が試してやろう」
そう言って、骸骨野郎は前に出てきた。そして、手に持っていた槍の側面に大きな鎌が付いたような奇妙な武器を振りかぶった。
それを見て僕は、やばいと直感した。“死”という言葉が頭をよぎる。そして、気付いたら、僕は後ろを向いて全力で逃げ出していた。




