エピソード20 本格的にやばい
気が付くと、僕の手足も木の化け物の右手から伸びた太い枝みたいな触手で拘束されていた。なんとか体を動かそうとするが、びくともしない。
「ああ? やっちゃっていいだろう。雑魚だ、大した情報も持ってねえだろうしな」
「まあそうじゃな。セイマ相手の人質にもなるまい。死んでおいてもらおうかの」
「…僕を舐めると後悔することになるよ」と僕はつぶやいた。すると、2体の妖魔はこちらを見て一瞬ポカンとしたあとで大笑いした。
「カッカッカッカ。しゃべり方までゴルジそっくりじゃな。ゴルジのようになりたかったのかのぉ」
「俺たちが後悔するって? どんなふうに後悔させてくれるか楽しみだぜえ」
「今に見てなよ…」と思わせぶりにつぶやいてみたものの、これは本格的にやばい。これまでなら強力な退魔術で簡単にピンチ脱出といくところだけど、力を封印された今は手の打ちようがない。
気付くと、額から汗をかいているのに気付いた。しかし、両手とも胴体に縛られているので汗を拭うこともできない。そんな僕を見ながら、猪妖魔がニヤニヤ笑いながら言った。
「そんなに怖がるなよお。かっこつけてたくせに何も無しかよう」
「まあ、死ぬ間際までゴルジの真似をする根性だけは誉めてやろうかの。かっこつけのゴルジの馬鹿そっくりじゃよ。笑わせてくれた礼じゃ、一息にとどめを刺してやれ」
木の化け物がそう言うのを聞いて、猪妖魔がでかい斧を振りかぶった。血の気が引くのを感じる。気付いたら、僕は悲鳴を上げていた。
「あばよ、偽ゴルジさんよ」
そして、猪妖魔は斧を振り下ろした。




