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散歩道 俳句を詠んでみました。  作者: あっちゅ寝太郎


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山と、水と、夜の音――五泉・飯豊の晩秋を歩く

まえがき


ほんのりと汗をかくような、秋の実りの手仕事。

そこから一歩踏み出した散歩道には、息をのむような色彩のドラマが待っていました。

友人宅で手伝った柿もぎの「朱」に始まり、夕暮れの道端に凛と咲く蘭の「白」。

視線を遥か彼方に巡らせれば、島影の向こうに広がる「いわし雲」の夕映え。

そして一日の終着点、紺青の夜空に浮かぶ眉月と、まるで金粉を流したかのように染まりゆく雄大な信濃川の「粉金」の世界――。

どこか懐かしく、胸がいっぱいになるような越後の秋の一日。

日常のふとした瞬間に宿る美しい景色を、四つの俳句とともに、一枚の絵巻物を紐解くようにつづった小さな散歩の記録です。

どうぞ、澄んだ秋の空気をご一緒に深呼吸するように、ゆったりとお楽しみください。

:山と、水と、夜の音――五泉・飯豊の晩秋を歩く



本文


趣味で、ふと心に浮かんだ景色を十七音の形に残しています。

特別な技法があるわけでもない、素人の気ままな俳句ですが、自然の中に身を置いたときにだけ、言葉がそっと降りてくる瞬間があります。

今回は、深まりゆく秋の気配に包まれた、地元の山々と水、そして夜の情景を綴った三つの句をご紹介します。

◇

まずは、二十四節気の「寒露」を迎えた頃、馴染みの山を歩いたときの一句です。


寒露かな どっぱら清水 のど冷やす


五泉の名峰・菅名岳の中腹に湧く「どっぱら清水(胴腹清水)」。岩間からこんこんと湧き出すその水は、驚くほど清らかで冷たい。山を歩き、少し火照った体にその名水を流し込むと、喉の奥から全身へ、秋の冷気が染み渡っていくようです。肌を撫でる冷涼な空気と、水の冷たさが心地よく重なる一瞬でした。

◇

そこからさらに目線を上げると、遠く聳える名峰が冬の支度を始めているのが見えました。


飯豊山 初雪近し 星詠う


山形・福島・新潟の県境にまたがる峻険な飯豊山。その頂が白く染まるのも、もうすぐでしょう。緊迫感すら漂う冬直前の冷気の中で、ふと見上げた夜空には、冴え渡る満天の星々。まるで星たちが、もうすぐ訪れる初雪を静かに歌い上げ、山を祝福しているかのような、神聖な夜の静寂(しじま)です。

◇

そして最後は、川辺の闇に佇み、五感を研ぎ澄ませた晩秋の夜の句です。


落ち鮎や 朽葉を寄せて 蒔き嗅ぐ夜


命の終わりを前に、産卵のために川を下る落ち鮎。そして、役目を終えて地へと還っていく朽ち葉。二つの「落ちゆくもの」が重ねる静かな哀愁。川辺の闇の中、湿った落ち葉や薪の匂いと、微かに漂う鮎の香りが交じり合う。五感を静かに研ぎ澄ませて、深まりゆく秋の夜の匂いをじっと嗅ぎ取っているような、そんな寂しくも豊かな時間を十七音に託しました。

◇

山を歩き、水を飲み、夜空を見上げ、季節の匂いを嗅ぐ。

自然が魅せてくれる一瞬のきらめきを、これからも飾らない自分の言葉で、のんびりと留めていきたいと思います。

ご覧いただき、ありがとうございました。

ご一読いただきありがとうございました。日々の歩みのなかで紡いだ言葉たちが、どなたかの心に届き、小さな道標となれば幸いです。

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