表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
33/35

33話 羽化

「ど、どうなったんや?」


月元隊長が繭のようになった晴天外装に近づく

少し触ると、ひらりと外側の一枚がめくれた

それに釣られ、その奥も、またその奥もひらひらと解けて

床に落ちたものは、そのまま溶けるように消えていく


「あ、待って!待ってな!解けんといて!」


月元隊長が慌てて抑えるも、スルスルと止まることなく解けていった

そして、マリの顔が見える


身体に巻き付いた晴天外装が全て解け落ちると、マリがパチリと目を開けた


「えっと、月元隊長?何やってるんですか?」


変な格好で固まっている月元隊長に声をかける


「な、なんでもあらへん!それより!」


月元隊長が私に詰め寄った


「扉は!?もう超えたんか!?あんなの私でも相手できんで!」


そう言って私の体を揺さぶった


「月元がマリに気安く触るんじゃない、叩き切るぞ」


ルイが言いながら月元隊長の手を払った


「…あんたか、あんたも月元の人間やろ。

あんたこそ、望月はんの体で何企んでるんや?」


「俺は、あんたみたいな正当な月元じゃないんでな。

教えてやる義理も、必要もない」


それを聞いた月元隊長は一歩引いて距離を取った


「可愛げがないなぁ、あんた」


「私はル…、この人みたいな、

そんなこと思ってないですからね!」


私は誤解が無いように弁解する


「勿論、望月はんは歓迎や。せやけど、

これも一緒についてくるとなると、

あまりいい気はせんなぁ」


「こっちもお利口さんなだけの教えなんてなくても、

大丈夫なんで!」


それを聞いた月元隊長は顔をしかめた


「私はこれでも、

月元の当主候補筆頭やらせてもらってます!」


「なら、本家月元がそのレベルってこったな」


そう言われた月元隊長はさらにムッとなった

そのあとに、ニヤリと笑う


「ほんなら、この程度の月元の部屋荒らした落とし前、

どうつけてくれますの?

今回の扉は望月はんのせいやのうて、

あんたのせいなんやろ?」


月元隊長が部屋を指しながら言った


「こいつ…!」


ルイは言葉に詰まる


その時、遠くの方から数人の足音が近づいてきた

扉を吹き飛ばし、

月見さんと矢守さんと若菜さんが飛び込んでくる


「マリちゃん、元気してるー?」


「扉って聞いて飛んできたで!」


「お師匠様!応援呼んできました!これで…あれ?」


部屋の惨状と、落ち着いて話をする私達を見た3人は

首を傾げる


「なーんだ、もう終わっちゃったの」


矢守さんがつまらなそうに持ってきたお菓子を開けた


「にしても、短時間でようこれだけ派手に壊せたなぁ」


若菜さんが部屋を見渡しながら言った


「十三番の問題児に、医療棟の若菜

随分気合い入れて連れてきたなぁ、月見

2人も、わざわざ部屋の片付けに来てくれて、

ありがとうなぁ」


月元隊長は2人を見比べながら言った


「なにそれひどーい」


「うちかて、マリちゃんの為に来たんや

凛菜の為やない!」


2人は文句を言っている


「あれ?若菜さんと月元隊長って知り合いなんですか?」


私は、2人のやり取りを見て聞いてみた


「ん?あぁ、ただの腐れ縁や。学生時代にな、凛菜には幾度となく苦汁を飲まされとった…

大会では、一度も勝てなくて、いつも私は二番手…」


若菜さんがしゃがみこんですすり泣いている


「はいはい、無駄なおしゃべりせんとちゃっちゃと働き!」


そう言って月元隊長が手をパンパンと叩いた時、月元隊長のスマホが鳴った


「誰や、こんな時…に」


着信画面を見て、月元隊長が顔をしかめた

覗き込むと、画面には【尾藤】と表示されている

ため息をつき、通話ボタンを押す


「はい、月元でs…」


「あー月元さん?そっちにうちの部隊の三人がいると思うんだけど、返してくれない?」


スピーカーにしていないはずなのに尾藤隊長の声が部屋に響く


「…随分元気やね、さすが十三番隊の隊長さんやわ」


「そんなのはいいからさぁ~、望月と矢守と若菜に隊長室来るように伝えてくれ

至急の連絡があるから今すぐに!」


それだけ言って通話は切れた

月元隊長が握っているスマホがミシリと音を立てる


「そういうことやさかい、三人は、行ってええよ…」


月元隊長の影に物凄い負のオーラを感じる


「じゃあ行こうかー、じゃあね、つっきー!」


矢守さんが部屋を出ていく


「おま、仮にも他部隊の隊長やで!つっきー呼びはあかんやろ!」


そう言いつつ、若菜さんも笑いながら矢守さんの後に続いた


「えっ、と、あの、ま、また来ます!」


そう言って頭を下げてから、素早く落ちていた刀を拾って部屋を飛び出した

飛び出した瞬間、後ろからすごい音が聞こえたが振り返らない

振り返らない方がいいと本能が叫んでいた






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ