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17話 葛藤

「ねぇねぇマリちゃん、これとこれどっちがいいかなー?」


矢守さんが2着の服を比べながら聞いてきた


「えっ?あっ…」

「右の方が矢守さんっぽい感じがしますね、でも左も大人っぽくていいと思います!」


とっさにルイがフォローしてくれたが、さっきまでのように心から楽しめなくなっていた


「ノマドの言った事、気になる?」


ルイが聞いてきた


「うん。これどうすればいいのかな?」


私はポケットの中の紙を握りしめた


「俺が少し考えておく。マリ、せっかく今日は遊びに来ているんだ、沢山楽しんで」


ルイがそう言うと、悩みがふっと軽く感じた


「ありがと、ルイ」


私は服を1着手に取った


「みいや2人とも!ここの店、ええもんそろっとるわ!」


そう言って若菜さんはトラ柄のシャツを比べている


「若菜ぁー、それはないよー」


「なんでや!めっちゃかっこええやん!」


2人のやり取りが今は心地よかった

楽しい時間は早く終わり、辺りはすっかり暗くなってしまった


「いやー、今日は楽しかったなぁ!」


若菜さんがそう言いながら伸びをした


「えへへ、マリちゃんも、今日は楽しんでくれたー?」


「はい!凄い楽しかったです!今日はありがとうございました!」


私は2人に頭を下げた


「いいんだよー。たまには息抜きも必要!特に、任務の後はねー」


矢守さんがそう言って笑った


「さぁ!かえって夕ご飯食べよー!」


「まだ食うんかい!」


3人で笑いながらの帰り道は、少し懐かしいと感じた

…そんなに時間は立っていないはずなのに


次の日、今日も1日お休みだが、私は悩んでいた

ノマドからもらった紙、これは罠ではないのか?


「あー!どうしよう…」


私はベッドに飛び込み、意味もなく足をバタバタさせた


「ほこりが舞うから、やめた方がいいよ」


ルイが私に注意した


「…ねぇ、この紙さー、隊長に渡していいかな?」


枕に顔を埋めたまま、私はルイに聞いてみた


「渡せば良いんじゃないかな?」


ルイはしれっとそう答えた


「でも!罠かもしれないじゃん!危ないじゃん!!」


ルイはそれを聞くとポカンとした顔をした後、笑い出した


「ねぇ、マリ。渡したからさあ突撃!ってなるわけじゃないんだよ?

事前に調査して、確証を持って、準備して、行くんだよ?

なら、いつもの任務と何が違うのさ?」


その話を聞き、私はハッとした


「…そうじゃん。あー!!!なんで私はこんなことで悩んでたんだぁ!」


私はまた布団で泳ぎ始めた


「悩むこと、疑うことは悪いことじゃない。

けど、けど今回は…

マリが深刻になりすぎだよ!」


そう言ってルイがこらえきれず笑い出した


「笑うな!」


そう言って枕を投げつける、勿論ルイには当たらないが…

ルイはスッと私に近づくと顔を寄せてきた


「今回は勉強になったね」


そう言い残しルイの姿が消えた


「はぁ、なにを焦ってたんだろう、私…」


そう言いながら天井を見つめる

カチカチと時計の針の音と、自分の心臓の音だけが微かに聞こえる


「…よし!」


私は心月を手に取り、訓練場へと向かった

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