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16話 休日

朝8時

私の部屋の扉が叩かれた


「グッモーニン!迎えに来た矢守さんだぞー!」


私はベッドから起き、部屋のドアを開け、矢守さんを中に招き入れて椅子に座らせる

矢守さんの前に、お茶とお菓子を置いて、着替えと準備を始めた


…しばらくして


「準備できました、今日はどこ行くんですか?」


私が聞くとお菓子をかじっていた矢守さんが振り返った


「その前に、ちょっと寄るとこがあるんだー」


ルンルンで進む矢守さんの後をついていくと、誰かの部屋の前に着いた


「グッモーニン!迎えに来た矢守さんだぞー!」


そう言って部屋の扉をガンガンと叩く


「うっさいわ!扉壊れるやろがい!」


部屋から若菜さんが飛び出してきた


「そもそも呼び鈴あるんやから扉叩くなや!」


そう言って若菜さんが扉横のスイッチを指さした


「…え、知らなかったんですけど」


思わずつぶやくと若菜さんは私に気が付いた


「なんやマリちゃんもおったんかいな。

いや待て、いま知らんゆーたか?」


私は頷いた


「他の人の部屋なんて行きませんし、矢守さんは、毎回扉を叩いてくるので…」


若菜さんは矢守さんに向き直ると、肩をガシッと掴んだ


「早速新人に悪影響がでとるやないかい!」


そう言いながら、矢守さんを激しく揺さぶった


「えっへへ、サプラーイズ!」


「お前は一回、サプライズの意味を、辞書引いてこいやぁ!」


若菜さんの叫びが響き渡った




「で?今日はどんな予定なん?」


しばらくして、落ち着いたところで若菜さんが聞いてきた


「私も何も聞いてないです」


そう言って2人で矢守さんを見る


「ふふふふ、女の子が3人集まったとなるとー?」


私達は、息をのむ


「まず映画でしょ?それからショッピングしてー、

夜はご飯食べるの!」


(ふ、普通だ!)


私はそう思った


「…矢守はうちらとデートでも行くんか?」


「せっかくの休みだからねー。楽しまなくっちゃ」


そう言って時計を見ると9時半になっていた


「…ちょっとのんびりしすぎたねー。

映画の時間やばいから、2人とも、走るよー!」


そう言って矢守さんは走り出した


「あ、待てや!」


若菜さんも続く

私はそんな2人の後を追いながら、

少し、可笑しくて、笑顔がこぼれた


無事、映画館にたどり着いた


「チケットは取ってあるからねー」


「何見るんですか?」


私がそう聞くと、矢守さんは振り返り、ニヤリと笑ってスマホを見せてきた


「ハイパー…ピーチボーイ?」


聞いたことがない。私は首を傾げた


「なんやそれ、おもろいんか?」


若菜さんがそう言うと、矢守さんが喰いついた


「ハッピー知らないとか!人生半分損してるよー!

アクションもストーリーもめっちゃいいんだから!

こうなったら…、見た後に感想会だからね

絶対にハッピー沼に沈めて見せる!」


私達は手を引かれ、中に入っていった




映画を見終わったあと、私たちはフードコートにやってきていた


「なんやあれ…」


若菜さんが呟いた


「すごかったですねー」


私は天井を見上げながらそう返した


「2人とも、どうだったー?」


矢守さんがそう言ったとき、若菜さんがすごい勢いで矢守さんの肩を掴んだ


「矢守あれ…

メッチャおもろいやんけ!」


そう言って矢守さんを揺さぶった


「ですよね!ですよね!!

まさか、木地(キジ)さんがあそこで裏切るなんて…」


若菜さんがこっちへ振り返った


「それも好きやけど!うちは断然、鬼吉派やわ!

妹のために悪に染まる覚悟、あれは泣けるで!」


それを聞いた矢守さんは誇らしそうだ


「どう?ハッピー道は奥深いでしょー?」


そう言って腕を組み、ふんぞり返っている


「でも、矢守さん。よくあんな映画知ってましたね?」


「あの映画は、私にとって特別なんだー。

辛い時、私も主人公になりたいって、

そう思えるようになったきっかけがあの映画」


そう言って、矢守さんは笑った


「私お腹減っちゃったー!若菜、ご飯買いに行こー」


そう言って矢守さんは、

若菜さんを引っ張っていってしまった


「楽しそうだね、マリ」


ルイがそう言った


「楽しい。こんなに楽しいのは久しぶりだよー」


笑顔でそう答えた

飲み物に視線を落とした時、私に人影が近づいてきた


「お嬢ちゃん可愛いねぇ、

良かったらおじさんとお茶でもしないかい?」


私は咄嗟に顔を上げた


「すいません、友達と来ているので

そう言うの…は……」


私は声をかけてきた男の顔を見て固まってしまった

トレンチコート

髭は少し伸び

口には、飴玉をくわえていた


「…ノマド!」


「あれ?俺有名人?まあ落ち着いて座れよ、ヒーロー」


咄嗟に立ち上がろうとした私をノマドは止めた


「あまり派手な事はしない方がいい。

今日は俺もプライベートだし、こんなに人がいれば、

今すぐ3人は殺せる。」


そう言ってノマドは飴を鳴らしながら笑った


「何が目的ですか?」


「言っただろ?俺もプライベート。

君を見つけたのは偶然だ。

けど、そうだな、君の中の存在に興味はある」


ルイが私に入ってきた


「……何の用だ?」


ルイがそう言うとノマドはニヤリと笑った


「まじかよ、やっぱ俺の仮説は、間違ってなかった!

お前は誰だ?なんでそこにいる?

誰がやった?」


ルイはノマドを睨んだ


「お前に聞く資格は無い、黙ってさっさと消えろ」


「連れないねぇ、別に答えてくれてもいいじゃない?」


「なら、俺の質問に答えたら一つだけ答えてやる」


ノマドは笑った


「いいねそう来なくっちゃ!なんだいなんだい?

好きな女のタイプかい?それとも、今まで付き合った女の話でもするかい?」


ルイは男の腕を指さした


「お前のその腕、どうやって治した?」


それを聞いたノマドはつまらなそうな顔になった


「……うちのボスは腕利きの医者でね、

そいつに治してもらった

次は、俺の番かな?」


ノマドは少し考え、口を開いた


「お前の欲望はなんだ?なぜその子を助ける?」


ルイは笑った


「この子は俺の全てだ。この子を守る事が俺の願い

俺はこの子の為なら、他の全てを捨てられる」


それを聞くとノマドが笑った


「いいねそれ!なら、ここに行くといい

断言しよう。近いうちに、君達は必ず壁に当たる

…その時に君達がどうするのか、

俺はそれが楽しみで堪らない」


そう言って紙に場所を書くとノマドはそれを私に渡してきた


「あ、そうそう。

そこに行くならまず君達の隊長に渡しな。

1人だと危ないからね」


そう言い残し、ノマドは人混みに消えていった

そのすぐ後に、矢守さんと若菜さんが戻ってきた


「たっだいまー!どれも美味しそうで迷っちゃった」


「相変わらず、矢守はその身体のどこにこんなに入るんや?」


若菜さんはポテトを食べながら言った


「…マリちゃん、なんかあったー?」


「いえ!何も!ちょっとナンパ男が来たぐらいで!」


「ナンパやて!?大丈夫か?クソ男はどこいった!?」


若菜さんが周りを見渡した


「大丈夫です!

ほんとに、断ったらすぐにどこか行ったので

…わたしも、見て回ってきますね!」


そう言って私は席を立ち、お店を見に行った


「マリちゃん、なんか変?」


矢守さんが言った


「ナンパに会ったんや、怖かったんやろ」


若菜さんは次のポテトに手を伸ばした


「それだけかなー?」


矢守さんは首を傾げた

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