突発書き下ろしSS「ぷるるん、ぷるるん♪」
それは3月8日のことだった。
いつもと変わらない3人での高校からの帰り道のことである。
「ねぇねぇたくみん。今日はたくみんの家で餃子パーティしようよ?」
陽菜が突然そんなことを言い出した。
「いいけど。えらく急だな?」
「だって今日は『餃子の日』記念日だし」
「ごめん陽菜。純粋な疑問なんだけどさ?」
「なになに?」
「3月8日のいったいどこに餃子要素があるんだ? 語呂合わせでサバの日ならわかるんだけど」
「え? 知らないけど、テレビで言ってたよ?」
俺と陽菜が顔を見合わせると、ここまで黙って話を聞いていた美月が小さく手を挙げながら、話に入ってきた
「あのね陽菜ちゃん、拓海くん」
「知っているのか美月?」
「うん。味の素が1972年の3月8日に初めて冷凍ギョーザを販売したから、今日は餃子記念日なんだって」
「へぇ~!」
「さすが美月、料理上手だけあって詳しいね♪ 陽菜ちゃんポイント20点あげちゃうっ♪」
「えへへ、ありがと陽菜ちゃん♪」
謎が解決したところで、俺は家にある食材と地元スーパーの今日の特売を思い浮かべた。
たしか今日の特売は――
「じゃあそうだな、今日は寒いし水餃子の鍋でもするか。王将のぷるもち水餃子が今日スーパーで特売をやってたはずだから」
「たくみんはほんとスーパーの特売に詳しいよね。あはは、ウケる~♪」
「まぁな。一人暮らしで生活かかってるから、何でも安い時に買いたいよ」
浮いた分は小遣いに回せるし。
と、しかし。
ここで美月が待ったをかけた。
「ごめんね拓海くん、それはダメなの」
「え、なんで……? 美月は水餃子は嫌いだったのか?」
「ううん。好きだよ。甘くて美味しいし」
「うんうん。美月はいろいろとぷるるん、ぷるるん、してるもんねー♪ ぷるるん、ぷるるん♪」
陽菜がぷるるんぷるるん言いながら、両手を胸の前でワキワキと動かす。
「それはどういう意味なのかな陽菜ちゃん?」
「ご、ごめんってば~!」
「もぅ、陽菜ちゃんってば」
「えへへ~」
いつものように2人が仲睦まじくじゃれあった。
「それじゃあ、なんでなんだ?」
俺が尋ねると、美月が答えた。
「ええっと、そうじゃなくてね? 水餃子の日は1月1日で別にあるから、今日は水餃子は対象外なの」
どうやらそういうことのようである。
「……世の中ってどうしてこんなに複雑なんだろうな?」
「ねー……」
「難しいよね……」
世の理不尽を前に、俺たち3人は思わず顔を見つめあって、そろってため息をついたのだった。
現在ネコタマ第3巻は、鋭意製作中だぞっ♪
続報をComing Soon!(*'▽')パアッ




