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突発書き下ろしSS「手ぬぐい王子」

 通学路脇のソメイヨシノが大きく(つぼ)み、春の訪れがもう間近であることを感じずにはいられない3月21日。


 いつもと変わらない3人での高校からの帰り道。

 もうすぐ俺んちへと着くってところで、


「そうそう、今日3月21日は『日本手ぬぐいの日』なんだってー」


 陽菜がふと思い出したように言った。


「あ、そうなんだ。へー。知らなかったよ」


 うなずく俺に、陽菜が不満そうに口をとがらせる。


「ちょっとたくみんってば、なんかノリ悪いんですけどぉ~?」


「ごめん陽菜。でも手ぬぐいの日って言われて、何をどうノリを良くしろと……?」


 悲しいかな、手ぬぐいで「ウェーイ!」できるほど、俺は陽キャな性格はしていなかった。

 だてにモブ男子は自任していないのだ。


 いや、さすがにウェーイ!男子であっても、手ぬぐいではウェーイ!できないような?


 すると陽菜が苦笑しながら肩をすくめて言った。


「もー、わかってないなぁ。ってわけで美月、ここから代わりに説明お願い♪」


 まさかの丸投げが行われたが、そこはそれ、陽菜と美月は小学校からの大親友。

 俺の反対側を歩く美月は特に気にした様子もない。


 美月は横並びから少しだけ前に出ると、俺の方に顔を向けて説明を始めた。


「あのね拓海くん。『ネコタマ』こと『黒猫を拾ったら俺んちが二大美少女の溜まり場になった。』第3巻で手ぬぐいがキーアイテムとして大活躍するよね? 陽菜ちゃんが言いたいのはそういうことじゃないかな?」


「おおっ! これネコタマ3巻の宣伝だったのか! なーる!」


「そうそう、3巻ではたくみんが『手ぬぐいの王子様』になるんだよね~♪」

「ね~♪」


「なんか高校野球にいそうだよな『手ぬぐい王子』」


「わかる~!」

「拓海くんにぴったりなさわやかなイメージだよね」


「っていうか一応念のため言っておくと、俺は王子でもなんでもないからな? 後で誇大広告だったって言われたら大変だから、言っておくな?」


「たくみんは細かいこと気にするよね。あはは、ウケる~!」

「ふふっ、細かいところまで気が利くのが拓海くんのいいとこだもん♪」


「あと、あまりネタバレすると怒られるぞ?」


 天の声に。

 知らんけど。


「別に手ぬぐいって言うくらいはOKでしょ? 手ぬぐいは普通のアイテムなんだし? 最近はあんまり見ないけど」


「それに、すっごく王子様だったよ? さすが拓海くんって感じだったもん♪ えへへ♪」


「よ、よせやい……!」


 陽菜と美月、2人のキラキラ美少女たちからこれでもかと誉め誉めされまくってしまい、なんとも気恥ずかしい俺だった。


「というわけで!『手ぬぐい王子』たくみんのカッコいい姿が見られる『ネコタマ』こと『黒猫を拾ったら俺んちが二大美少女の溜まり場になった。』第3巻は、現在発売に向けて最後の追い込み中だよっ♪」


「すっごく素敵な表紙も出来上がっているので、楽しみに待っててね♪」


 みゃあ!


「クロトお前いつの間に……」


 いつの間にか俺んちについていて、玄関を開けたとたんにクロトが元気よくお出迎えしてくれた。


 まったくクロトのやつ、最後に美味しいところを持っていってからに……。


 とまぁこうして。

 今日も俺んちは二大美少女の溜まり場になっていたのだった。


『黒猫を拾ったら俺んちが二大美少女の溜まり場になった。』第3巻


今夏発売予定であります!


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― 新着の感想 ―
3巻もちろん買いまっせ~! タオル(パイル地)は手ぬぐいと言ってはいけません。 手ぬぐいって最近は使用頻度少ないかな~ お祭りで法被着る時位でしか持ち歩かないかも。
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